2010年7月3日土曜日

えひめAIの効能、その2

前に、えひめAIの個々の微生物についての性質を述べました。
(→えひめAIの効果、その1

それでは、これらを一緒に混ぜて使うと効果はさらに高まるのでしょうか?

これに関して、一度テストしてみたことがあります。

えひめAIを作るときに、ついでにヨーグルト、納豆、ドライイーストを各々単独で砂糖水にまぜ、微生物を培養しました。

それぞれ乳酸菌、納豆菌、酵母菌の各培養液ができたことと思います。

これを用いて、コマツナとホウレン草を育苗ポットに混植して種まきしたものに、腰水でかん水し、この水に定期的にこれらの液を混ぜてみたのです。

結果は予想外のものとなりました。

コマツナは何もかけないのが最も発芽率が高く、次いで乳酸菌→納豆菌→酵母菌の順に発芽率が低くなり、全部を混ぜたもの(=えひめAI)は最も発芽率が低くなりました。

逆に、ホウレン草については、えひめAIを用いたものが最も発芽率が高く、乳酸菌がこれに次ぎ、その他の条件はほとんど発芽しませんでした。

私は、畑ではえひめAIの散布の効果を十分実感しているのですが、小さなポットではまた状況が異なるようです。

ただし、善きにつけ悪しきにつけ、単独よりも一緒に混ぜた方が効果が高いという結果にはなりました。

では、一緒に混ぜることにより、具体的にどのような効果が出るのでしょう?

3つ全部ではややこしいし、調べてもよくわからなかったので2種類ごとに探してみました。

まずは乳酸菌と納豆菌の組み合わせについて。

この二つの微生物の関わりについては、興味深い報告があります。

動物の体内の話なので植物と直接的なつながりはないかも知れませんが、乳酸菌は動物の消化器系を通るとき、ほとんど胃の中の強い酸で死滅してしまいます。

腸内まで乳酸菌が出てくることはほとんどありません。

一方、納豆菌は胃酸程度では死なずに、腸まで通過することができます。

そして納豆菌と乳酸菌を一緒に摂取すると、納豆菌と乳酸菌とも腸内での生存が確認できるそうです。

このようになるメカニズムについてはまだ明らかではないようですが、納豆菌により乳酸菌の外部環境に対する耐性が高まるとは言えます。

また、乳酸菌は糖を原料として発酵しますが、納豆菌は有機物を強力に分解することで乳酸菌に糖を供給する役割も期待できます。

このように、納豆菌が存在することにより、乳酸菌は活動しやすい環境が作られるようです。

逆に、納豆菌にとっては乳酸菌は苦手なようです。

納豆菌は酸に弱いので、乳酸菌の活動が活発になって酸が増えると活動ができなくなります。

ただし、死滅することはなく胞子を形成して生き延び、環境が良くなると発芽して再び活動できるようです。

ということで、納豆菌と乳酸菌が共存すると、特に乳酸菌の活動が高まるといえそうです。

次に乳酸菌と酵母菌。

多くの菌は中性域を好み、酸性やアルカリ性では活動できなくなりますが、酵母菌はむしろ酸性で活動が活発になります。

従って、乳酸菌が乳酸を出して酸性にすることにより、酵母菌が増殖できるようになります。

逆に、乳酸菌も酵母の出す成分によって生育が促進されます。

酵母から抽出した酵母エキスは、微生物に有用な成分が含まれており、いろいろな微生物を増殖させる時の培地に添加されたりします。

乳酸菌も増殖させるのに、こういったものを用いたりします。

従って乳酸菌と酵母菌は互いに生育を促進させる働きがあります。

最後に、酵母菌と納豆菌の関係については、調べてもよくわかりませんでしたが、これまで述べたことから類推できます。

すなわち、納豆菌が強力に有機物を分解することにより酵母菌のエサを供給し、酵母菌の生成する各種のアミノ酸や核酸等は逆に納豆菌のエサとなります。

以上をまとめると、これらの微生物は概ねお互いの生育を促進する方向に働いて、各々の持つ効果を高めあっていると言えそうです。

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2 件のコメント:

  1. えひめAI,米ヌカ発酵肥料を趣味のバラ栽培に生かしています♪

    とてもわかりやすい記事に感動しました!
    興味があること、てんこ盛りなので
    他の過去記事も じっくり読ませていただきたい
    と思います♪♪ 応援します!

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  2. メアリーさん
    どうもコメントありがとうございます。

    私は野菜ばっかりで花木の方は全く分からないので、えひめAIや米ヌカ発酵肥料を使うとどうなるのか、イメージがわきません。

    また色々と教えて下さいね。

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