毎年、畑で草をぼうぼうに生やしていると、年によって色んな雑草が入れ替わり立ち替わり、優勢になるようです。
今年は、エノコログサとセイタカアワダチソウはちょっと少なめです。
私の最大の敵のメヒシバは、毎年手堅く繁殖しています。
それと、今年何となく目立つのは、カヤツリグサです。
カヤツリグサは、背の高さは30センチくらい、節はなくて茎が一本直立しており、頂上から細長い葉っぱと小穂が放射状に伸びています。
穂は黄色っぽいような、赤色っぽいような褐色です。
カヤツリグサの名前の由来は、「蚊帳吊り」からきています。
この草をとって、てっぺんを両側に引き裂くと、四角い形ができて、これが蚊帳を吊ったように見えるから、だそうです。
ちなみに、カヤツリグサは別名マスクサ(升草)とも言いますが、これも同じ由来です。
私も、四角形を作ろうとしていくつも引き裂いてみましたが、今のところ一度も成功していません。
ちょっとしたコツがあるのかもしれません。
ところで、このカヤツリグサの最も特徴的な点は、茎の断面が三角形をしていることでしょう。
普通は、植物の茎の断面は円形であることが多いですね。
これは、中心部から水分や栄養分を供給するのに、円形の方が都合がよいためだと思います。
三角形だと、中心から遠い部分が出来てしまい、水や養分を運ぶのが大変になります。
そのかわり、三角形の方が、風などの横からの力には強くなります。
面にすると分かりやすいかと思いますが、平板を曲げると簡単にたわみます。
トタン板のように波打たせると、たわみにくくなります。
このように、強度が上がるということは、耐力を持たせるために太くなる分を高くなる方にまわせることになります。
(その結果、日光を浴びやすくなって光合成に有利です)
言い換えると、光合成で得た有機物を使って、太る分を節約できます。
節約家な訳です。
あと、カヤツリグサ科の特徴として、人間に利用されることが少ない点も挙げられます。
強いて言えば、古代エジプトで紙の原料として使われた、パピルスがこの科に属しますが、これ以外にさほど有名な利用方法はありません。
これが例えばイネ科であれば、イネやコムギのような食用になる植物もあれば、葦や茅のように茎で色んな道具をつくる植物もあります。
このような有用植物は、往々にして植物が不必要と思われるくらい大量に生産する部位を利用します。
(薬草などのわずかな成分を利用するものは別ですが)
イネやコムギですと、種を正常に発芽、成長させるのには十分すぎるほど多量に作られる胚乳部を食べます。
あるいは、ヨシズなどに使う葦(ヨシ)ですと、他の草本植物ではとても対抗できないほど長くなる茎部を利用します。
これに対して、カヤツリグサは他の草と比べて、特段沢山作る物は見当たりません。
これも、節約家なるが故のことでしょうか?
※もしよろしければクリックをお願いいたします。
↓
0 件のコメント:
コメントを投稿