2009年11月14日土曜日

新聞マルチ

若い頃は、新聞をとっていませんでした。

あれは、誰かが世論操作するための道具だと思っていました。

自分は操作されないぞ、と。

でも、今は改心しいます。

新聞の有用性について十分理解し、反省しました。

一誌だけですが、きちんと朝刊を取っています。

新聞社については、全国紙でも地方紙でも、特にこだわりはありません。

周りのほとんどの家庭では地元の地方紙を取っています。

我が家は、全国紙(産経新聞)です。

産經新聞は、この地方では極めてマイナーです。

これは、別に産経新聞にこだわりがある訳ではありません。

ここに住み始めて最初に勧誘が来たのが産経の販売員だからです。

で、新聞の有用性についてですが、以前は苗の定植の仕方について悩んでいました。

定植の後のマルチング(地面を覆う)をどうするか、についてです。

それまで行っていたのは、

1)何も敷かない
2)藁を敷く
3)ビニールを張る

のどれかです。

1)の何も敷かないのは、定植作業としてはとても簡単です。

でも、土が乾きやすいので水やりが大変です。植物の生育も遅いです。

私は会社に行く都合で、ほとんど朝だけしか水やりしていませんが、季節によっては次の朝までに乾いてしまって、枯れてしまうこともしばしばでした。

2)で藁を敷くと土の保湿はだいぶ改善されます。

また、作業の手間もごくわずか増えるだけです。

でも、ニンジンのように水分がしっかりと必要な野菜では不十分です。

余談ながら、私は主に不耕起栽培しているのですが、ニンジンのような根菜には不向きなので、耕起をしっかりします。すると、余計に乾きやすくなってしまいます。

話を戻して、敷き藁のもう一つの欠点は雑草がやたらとよく生えることです。

雑草を防ぐためには藁を厚くすることが考えられますが、そうすると肝心の野菜も隠れてしまいます。

しかも一旦雑草が生えると、藁が邪魔になって取りにくいです。

3)のビニール、特に黒ビニールのマルチングが最も具合がいいです。

雑草は株まわり以外全く生えないし、土も乾きません。

また、黒ビニールですと、地温の上昇が抑えられるそうです。

問題点としては、敷くのが大変なことです。

一つの畝で1時間近くかかってしまいます。

マルチャーという、装置を使えば簡単に敷けますが、あいにく私は持っていません。

それに、ビニールシートは、お金を出して買わなければなりません。

それだと、勿体ないので何回か使い回そう、と思ってしまいます。

そうすると、敷くだけでなく、片付けるときも同じくらい時間がかかってしまいます。

さらに、長持ちさせるためには、しまう前にビニールシートを乾かした方がよく、その際には時間が倍加されます。

ビニールや新聞の他にも、生分解マルチとか、堆肥マルチ、等々いろいろあります。

ですが、生分解マルチは値段が高いですし、堆肥は多量に使うので運搬が大変でしょうから、試す気になりませんでした。



という経緯を経て、新聞の有用性を理解するに至りました。

すなわち、現在は主に新聞紙マルチを行っています。

新聞紙マルチについて、前述した述べたメリット、デメリットを当てはめると、

まず保水性については、使用感ではビニールシートと藁の中間くらいです。

雨が何日も降らなければ、毎日水やりが必要です。

でも、朝に十分水やりすれば次の日までは持ちます。

それと、作物によっては新聞紙の上にさらに藁を敷きますが、そうするとビニールなみに保水性は上がります。

雑草は、初期は十分抑えてくれます。

1ヶ月くらいすると、徐々に草が出てきて新聞に穴を開け始めますが、作物の初期生育が進んでいるので雑草に負けません。

新聞紙の上に藁をさらに敷いた場合は、ビニールマルチ並みに雑草が抑えられます。

デメリットとしては、作業時間が結構かかります。

作業手順が変わってくるので一概には言えませんが、感覚的にはビニールマルチより少し時間がかかるくらいでしょうか。

そのかわり、片付けの時間がかからないので、トータルで見るとビニールマルチの半分程度に収まるのではないかと思います。

値段については、解釈が難しいところです。

黒ビニールのマルチは、サイズにもよりますが平米あたり約70円です。

新聞は1日24ページ、購読料月3000円として、平米あたり約20円。

新聞の勝ちではあります。

でも、近所の人に古新聞を分けてもらえばただになります。

以前の私であれば、そうしたでしょう。

でも、妻が毎朝、新聞を読みますので甘んじて購読しています。
(もちろん私も読みます・・・囲碁将棋欄だけ)

その他、新聞マルチの特徴について述べると、

新聞は、最近はソイインク(大豆由来のインク)を使っているので、土を汚す心配があまりありません。

モヨウ(細かい文字の列)がついているので、定植のときの苗の間隔が分かりやすいです。

さらに、疲れたときには紙面を読むと気晴らしにもなります。
(主に、下の週刊誌広告の部分)

一枚がビニールシートよりも小さいので、大面積を敷き詰めるのは結構大変です。

将来子供が大きくなったら、出来高払いで新聞をのりでくっつけるアルバイトをしてもらおうと思っています。

最後に、作業の仕方について私の例を述べますと

1) 普通に畝立てする
(不耕起栽培の場合は、鍬で草を軽く取る程度)

2)新聞紙をしく

3)水をかける

4)定植穴をあける(木杭の先を地面に突き刺す)

5)苗を落とし込む(穴が大きすぎたときは、土を入れて埋める)

6)上に藁を敷く/あるいは土を寄せて風で飛ばされないようにする

といった手順です。

3)の水をかけるのは、新聞紙を土にくっつける目的です。

また、次に穴をあけるときにぬれていると比較的きれいに開きます。

6)の藁もしくは土は、風で飛ばないようにするためです。

定植間隔の狭いものですと土を寄せます。

定植間隔の広いものですと、苗と苗の間に藁を敷き詰めます。

6)の作業はきちんとやらないと風で飛ばされます。

一度(だけではないですが)、失敗したことがあります。

去年の今頃、タマネギを定植するとき、新聞紙マルチしました。

昨年は、まだ試行錯誤の段階だったので、新聞紙の風抑えが不十分でした。

しっかりと抑えたつもりで自宅に帰り、そして次の日を迎えました。

その日は子供会で廃品回収がありました。

ひと仕事終え、いつも全員で休憩を取る場所に向かいました。

そこは、私が使っている畑から200mほど離れている道路です。

少し遅れて到着すると、「こんなところに散らかして!」とか、

「運ぶ時途中でだれか落としたか?」とか、皆さんが口々にしゃべっていました。

あたりには、新聞紙がいっぱい散らばって、風に吹かれていたのです。

その新聞は・・・

産経新聞でした。

産経新聞を取っているのは、我が家だけ。

私が、滝汗を流しながらも、知らんふりしたのは言うまでもありません。

2 件のコメント:

  1. 新聞マルチ、昨年から実施しております。
    朝日です。
    http://www.youtube.com/watch?v=04CvyJ0v2qw

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  2. 動画で情報発信とはすごいですね!

    新聞マルチは、あまりはやっていないようですが、とてもよい方法だと思うのでもっと広まって欲しいですね。

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