2009年8月30日日曜日

ヌートリアその2

 その1より続き

(写真は、ヌートリアにかじられたトウガンです。)

一日、一日と日が経つにつれ、被害は加速度的に拡大してきます。
カボチャだけでなく、スイカ、ニンジン、トウガン、・・・とあらゆるもの
が食べられていきます。
最初は鷹揚だった私も、加速度的に怒りが増していきます。

そのうち、敵は潤沢な食料に目移りしたせいか、ひとかじりだけで食べ残し
したりしています。
それを見ると、ますますはらわたが煮えくり返っていきます。

もちろん、こちらもただじっと手をこまねいていたわけではありません。
いろいろと手を尽くしましたが、なかなか被害が収まりません。

まずは罠を仕掛けてみました。
コンテナをつっかい棒で傾けて立て、中に餌をおいて様子を見てみました。
結果は・・・全く反応なし。
そもそもヌートリアが来る前に風で倒れているようでした。

次にタールや木酢液が混ざった液を買ってきました。
強力忌避一番 1L入り

これを農地の周りをぐるりとたらしました。
火事の焼け跡のような匂いがします。

この結果は・・・ 
効果があったような気はしましたが、しばらくするとまた入ってきました。
匂いは残っていましたが、慣れたようです。

次には、音と光を出す装置。
赤外線か何かのセンサーで動物の動きを感知し、それとともに強い光と
超音波を発して敵を威嚇します。

これは効果抜群でした。ヌートリアだけでなく、鳥も寄ってきません。

しかし!

この装置は乾電池式でした。単一乾電池を4個も使います。
そして、電池の寿命が2週間も持ちません。
単一乾電池4個で1000円くらいかかります、高すぎる!

結局、最終的にはソーラー充電式のライト
ソーラー充電式LEDライト アニマルパッシングライト(LED6球)
を購入しました。

昼間は太陽光で充電し、夜間にその電力で光が点滅するというものです。

ヌートリアは。夜から朝方に活動し また、とても用心深い生き物です。
このライトを設置してから、警戒して来なくなりました。

ついに我が畑に平和が取り戻された!

と、思ったのも束の間。

何とかヌートリアを撃退したと思ったら、今度はもっと凶悪なのが
出てきました。

上に述べたような装置は全くきかないし、少々の農薬でも死にません。
私がいる時は完璧に身を隠して、いない時を正確に狙って取りにきます、

正直お手上げです。

私ができることはただ一つ、
平気で他人の野菜を盗むような人を、最大限に軽蔑することだけです。

ヌートリアその1


(注 写真はカピバラさんでありヌートリアではありません)

農業は、有害生物との果てしなき戦いです。

よく自然と人間との共生などと言いますが、農業においては自分が農作物を
食べるために、他の生物を殺したり追っ払ったりします。

エゴイズムの極致です。

有害生物には、微生物、虫、鳥、獣などさまざまいます。雑草もいます。

虫や雑草等は平気で駆除しますが、獣については愛嬌を感じることも
あります。
そのため、少しぐらいの被害だと笑って許してしまいそうになります。


一般に農業における害獣といえば、猪、猿、鹿あたりを思い浮かべると
思います

私の住む地域は平坦な開けた土地で街にも近く、これらの生物はいません。

かわりにいるのが野良犬、野良猫、そしてヌートリア。

このヌートリア、東日本の人はあまりなじみがないかもしれません。
ウィキペディアを参照すると 
→ http://ja.wikipedia.org/wiki/ヌートリア

一言で言えば大きなネズミのようなものです。

私が最初にヌートリアの被害にあったのは、ある夏の早朝でした。
収穫間近のカボチャが半分、のみで削りとられたようになっていました。
話には聞いていたので、すぐにヌートリアとわかりました。

畑の横に用水路があるので、よく見てみると黒い影が浮かんでいました。

その時は、被害が一個だけだったので、ちょっと苦笑いしておしまいに
しました。
まあ、ご愛嬌か、と。

でもそれば引き続いて起こる、悲劇の序章に過ぎませんでした。

その2へ

2009年8月24日月曜日

消防団

農業を職業にしようと思えば、通常は田舎で暮らすことになります。

田舎でなじむためには、地域の活動に積極的にかかわった方がよい、
とさまざまな田舎本に書かれています。


そこで我が家も、機会があればできるだけ参加するようにしています。

子供会、道路掃除、お祭り、・・・。
綱引き大会なんていうのもあります。

道路掃除や子供会での廃品回収は、夫婦子供総出で参加です。
地域の皆さん、新参者の涙ぐましい努力をわかってあげて!

さて、田舎の地域活動の中でも重要な地位を占めるのが、消防団です。

消防団員にはお百姓さんもいれば、農協職員もいるだろうし、いざと
いうときに何らかの便宜をはかってもらえるかも、
ということで消防団にも入りました。


消防団は一般市民がボランティアで参加する消防組織ですが、
給料も少し出ます。

また、ボランティアとは言え、非常勤の地方公務員扱いになります。
ほとんどの人は別に仕事を持っているので、消防団活動は立派に副業と
なります。

多くの会社では副業禁止です。
でも地域貢献ということで、大概の会社では喜んで許可されるようです。
私のところの団員は大体そうです。
会社も勝手なものです。

ただし、国家公務員だけは副業規定に引っかかるそうです。
2、3年前に天下り問題が発端となって国家公務員法が改正されましたが、
このときに、消防団員だった人は一旦団員をやめて、新たに申請書を書いて
入りなおしたそうです。
国も融通が利かないものです。

団員の給料の取り扱いは、各地域の分団によって異なります。
ある地域では、給料はそのままその団員に支給されるそうです。

私のいる地域では、全額、その消防団でプールされます。
そのお金で、冬の出動のための防寒着を買ったり、団員間の親睦のための
レクリエーション費用にしたりします。

消防団の訓練等の行事の後には、宴会をしたり、火事で出動したあと
食事するときにも使います。

宴会は、地域経済の活性化ということで、できるだけ地元の店で開きます。

我が消防団は田舎にあるので、宴会を開ける店はあまりなく、必然的に
同じ店に何度も足を運ぶことになります。

団員が、一定年数活動後、退職すると退職金がもらえます。
これは、我が消防団では個人に支給されます。
結構馬鹿にならない額です。

消防団の主な活動といえば、火事の際の消火活動を思い浮かべますが、
実際に消火活動を行うことはさほどありません。

私の例でいうと、去年火事で出動したのはほんの数回です。
現場に行っても大体の場合、先に消防局(本職の消防員)が来ており、
消火活動もほぼ終わっています。
実際に水出しするのは年に1回あるかないかです。

消火活動以外のさまざまな行事が結構あります。

その中でも暑さ寒さの激しい時期の行事はかなりキツいです。

成人の日には出初め式というものがあり、優良消防員の表彰や放水訓練等
が行われます。
式の間は防寒着の着用を禁じられます。

これが寒い!

限界以上の寒さにあうと、首筋から後頭部にかけて痛みを感じるように
なります。
消防団にはいって初めて知りました。

真夏には夏期教養訓練があります。
実は来週あります。
朝早く出かけて訓練をします。

訓練の内容は、歩くこと。
各分団ごとにわかれ、副分団長の号令のもと、列を作って歩き、
右に曲がり、左に曲がり、止まり、回れ右をしてまた歩き、・・・

どうです?
すばらしい訓練でしょう。

このような単純な命令に愚直に従うことにより、火事現場のような異常な
状況で平常心を保って消火活動に専念できるそうです。
福岡県の京都(みやこ)農業普及センターのホームページにそう書いて
ありました。
今は読めなくなっていますが、本になったそうなのでそこに書いてあるかも
しれません。
(手島洋司著 「天気と食は西から変わる」西日本新聞社刊)

この夏期教養訓練はとにかく暑い!

地域によってはこのあとソフトボール大会をやるそうですが、正気の沙汰
とは思えません。

いずれ誰かが脱水症で倒れて、救急の実地訓練をすることになるのでは?
と思います。

年末には夜警があります。12/28から3日間です。
夜の7時頃に詰め所に集まって、真夜中まで順次消防車に乗って
パトロールします。

昔の消防車はすぐに乗り降りできるよう、ドアがありませんでしたが、
私の所属する消防団は昔の消防車なので、ドアなしです。

ドアなし消防車での冬の夜更けのドライブ。

詰め所ではパトロールに備えて熱々の食べ物で体を暖めてから出かけます。
人気はキムチ鍋や火鍋。

理由は言うまでもないでしょう。
運転しない人はもちろんアルコールを入れておきます。

昔は徹夜で詰め所に居たそうですが、最近は夜の12時頃に帰ります。
それでも朝の早い私にとってはとてもつらいです。

この他、消防操法大会という競技や親睦のためのレクリエーション等、
重要な行事はいろいろありますが、長くなったのでまた気が向いたら書こうと
思います。

以上、ざっと書いてみました。
読まれて、随分しんどそうと思われたかもしれませんが、これはこれで
それなりに楽しいものです。

百姓修行で畑に出ているときもそうですが、暑さ寒さに身を晒すのも、
慣れてくれば一種の快感を伴います。

また、会社組織のように、利益で結びついた仲間というわけではないので、消防団員同士の付き合いも気楽にできます。

私のような人付き合いの苦手な人間でも何とかこなせるレベルです。

全国的に消防団員は不足していますし、何と言ってもボランティア活動
なので、団員になれば感謝されること請け合いです。

私の独断と偏見による、消防団への参加のおススメ度は
2.6(5段階価)です。

興味があれば、お入りください。

2009年8月16日日曜日

不耕起栽培

不耕起栽培による野菜づくりを行っています。

不耕起栽培にした一番の理由は、雨の後に畑がぬかるむからです。

私が畑づくりしている場所は、もともと水田だったところです。

雨が降るとぐちゃぐちゃになります。

そして、ちょっと降水量が多いと何日も乾きません。

歩くだけで苦労します。

一度ちょっと失敗したことがあります。

冬の雨の翌日に畑に入り作業しようとしたところ、長靴が泥で抜けなくなり、バランスを崩して足を泥だらけにしてしまいました。

家に帰ったときの、妻と子供からの冷たい視線が私の足をさらに凍えさせました。

ということで、雨の後は何日も農作業ができません。

週末に雨が降ると、貴重な休日の作業時間が全てパアになります。

サラリーマン兼業の身としては、この時間ロスは痛いです。

そこで何とかならないものか、といろいろ調べていくうちに、不耕起栽培に行き当たりました。

不耕起栽培とは、文字通り、土を耕さない農法です。

耕耘すると、雨で土と水が混ざり合ってぬかるんでしまいますが、

不耕起栽培では土の中に雑草や前の作物の根が残っているので土壌が流れません。

不耕起栽培にしてから1シーズン超すと、土が明らかに変わりました。

以前は雨水は土がとけて泥水になりましたが、不耕起にしてからは雨水が澄んだまま排水溝に流れていきます。

今では多少の雨くらいであれば、問題なく作業できます。

畝間の土も固まっているので普通に歩けます。

ただし、先月の大雨のように、浸水してしまってはどうにもなりませんが。

なおこの他に、不耕起栽培のメリット、デメリットについて私が実感しているところを述べると、

(メリット)
1.土が乾きにくいので水やりの手間が省ける
2.意外と草が生えにくい。耕すと土の奥に埋もれている雑草の種が発芽するようです。

(デメリット)
1.土が固いので、種まきや、植え付け作業に時間がかかる
・・・不耕起栽培用の種まき機もあるようですが、持っていません。    定植作業では植穴を掘るのが手間がかかります。
2.周りの土が固いので、初期の生育が遅い
・・・これで、いくつかの作物は枯らしてしまいました。
3.根菜は不適
・・・栽培法を究めた人ならできるのかもしれませんが、私には無理なので、根菜類は耕して作ります。
4.栽培方法が必ずしも確立されておらず、手探りしながらの栽培となる。
・・・さしあたりの私の教科書は、
家庭菜園の不耕起栽培―「根穴」と微生物を生かす (コツのコツシリーズ)
に従って、作業しています。

不耕起栽培について分かりやすく解説してあります。筆者は元農業普及員らしく、色々と面白い実験も行っており、興味深く読めます。

ただし、どうしても総論的な内容が多く、少数の品目を除いては深く突っ込んで書かれてはいません。

デメリットの方ばかりたくさん書いてしまいましたが、私自身は不耕起栽培にするメリットの方をより多く感じています。

私と同じような状況の方は、一度試してみられてはいかがでしょうか?

また、プロの方のご意見を伺えれば、とてもうれしいです。

参考にした本



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2009年8月6日木曜日

ジャガイモの花と実

ジャガイモの実がついたので、みのらせて種を取ろうとしていました。でも先月の大雨で枯れてしまいました。
写真は、ありし日のジャガイモの花です。