お彼岸ですね。
この時期になると、一斉に咲くのがヒガンバナ。
昨日の時点ではまだつぼみでしたが、今日くらいに一気に咲き始めるのではないかと思います。
花が咲く頃には葉っぱは取れていて、茎が一本、すっと伸びている先に花がついています。
花は、赤いリボンを丸く絡み合わせたように、ふんわりと形作られていて、とても美しいです。
でも、ヒガンバナはお彼岸の頃に一斉に咲くことから、死とか来世とかあまり明るいイメージは持たれないですね。
この花が一斉に咲くのには、理由があります。
ヒガンバナには種が出来ず、球根で増えます。
もともと中国が原産地で、そこから日本に数株持ち込まれてきたのが広まったとされています。
球根は親株のクローンで、突然変異はあまり起こりません。
従って、どの株も性質が同じで、咲く時期も同じ頃になります。
もう一つ、何となく暗いイメージがあるのが、この花が毒を持つことです。
ヒガンバナの鱗茎にはリコリンという有毒成分が含まれ、これを食べると吐き気を催します。
大量に食べると死ぬこともあるそうです。
余談ながら、これを逆に利用して、痰がからまった時に吐き出しやすくする去痰剤や、何かを誤飲したときの催吐薬に用いられます。
毒さえなければ、鱗茎には多量のでんぷんが多く含まれているので、食べられます。
幸い、リコリンは水溶性なので、昔の人は救荒作物として、鱗茎をすりつぶして水で十分に洗って食べていたようです。
そのため、畦や土手にさかんに植えられたのでしょう。
種が出来ないにもかかわらず、色んな場所に広まって繁殖しているのは、人間が植えたからという訳ですね。
そういえば、我が家の近くに比較的新しい道路ができたのですが、その道路わきにもヒガンバナが咲いています。
新しく盛り土して高くしているので、元から生えていたものではなく、無論種が飛んできた訳でもありません。
ということは誰かが植えたのでしょう。
毒があるので、自分の庭には植えたくないが、この花の持つ静謐な美しさのイメージに惹かれて、植えたのかもしれません。
とかく忙しい現代ですが、祖先のことを考えながら、この花を近くの空き地に植えてみるのも一興かもしれませんね。
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