前回に引き続き、米ぬかの利用方法(農業以外)についてです。
今回は、前回積み残していた食用を中心に述べていきます。
まずは米ぬかの成分をおさらいしてみましょう。
米ぬかは、タンパク質、脂質、ビタミンB1,B2,E、炭水化物、食物繊維、ミネラル分(Na,K,P,Ca,Fe・・・)等々が含まれています。
こうして成分を列挙しただけで、如何にも体に良さそうですね。
まず、ビタミンが多い事が目につきます。
従って、米ぬかを利用して、ビタミンのサプリメントが作れます。
個々のビタミン成分について、まずビタミンEは抗酸化作用があり、皮膚の老化を防止する働きがあります。
また、貧血を解消する効果もあります。
ただし、普通に食事をする分には、ビタミンEは十分取れていて不足する事は無いそうですが。
ビタミンB1は、不足すると神経痛や筋肉痛等が起こりやすくなることが知られています。
これが続くと脚気という病気となります。
江戸時代の武士階級は、白米を主食としたためにビタミンB1が不足して脚気に悩まされましたが、庶民階級は玄米が主食であり、脚気にはあまり縁がなかったそうです。
ビタミンB2は、不足すると口内炎や皮膚炎になりやすいことが知られています。
我が家では、よく子供が口内炎になったりすると、妻がチョコ○BBを飲むように言いますが、普段から米ぬかを摂取していれば良かったのですね。
ビタミン以外では、食物繊維は整腸作用があり、便秘解消に効果があります。
脂質中には、γーオリザノールやフェルラ酸、フィチン酸等が含まれており、これらはコレステロールの吸収を抑える効果や、抗がん作用、抗酸化作用、認知症予防などの種々の効能があります。
特にγーオリザノールとフェルラ酸は米ぬか特有の成分であり、米ぬかの食品としての優秀さが窺われます。
という訳で、米ぬかの食べ方です。
まず真っ先に思いつくのは、ぬか漬けかと思います。
私も作っています。
ぬか漬けは、米ぬかと塩を2:1〜6:1くらいの割合で混ぜ、これに水を入れてかき混ぜて、味噌と同じくらいの硬さにします。
これに野菜を入れながら毎日かき混ぜると、野菜についていた乳酸菌が増殖し、発酵して風味が出てきます。
ヌカから野菜に供給された、ビタミンやミネラル分が補給できます。
もちろん、漬けた野菜そのものが持っているビタミン類もそのまま取り入れられます。
ぬか味噌そのものを食べることも出来ます。
五斗味噌、あるいはじんだと呼ばれ、普通の味噌を混ぜて味付けします。
これをそのまま食べたり、魚の煮付けに使ったりします。
特に、鰯やサバなどに用いると、魚の臭みが抑えられておいしいそうです。
漬け物としては、ぬか漬けの他にタクアンも有名ですね。
ダイコンを干した後、米ぬかと塩で漬け込みます。
漬け物よりももっと直接的に、米ぬかそのものをお湯に混ぜて飲む人もいます。
特に、便秘で悩んでいる人におススメのようです。
近年注目されているものに、米ぬかアラビノキシラン誘導体というものがあります。
体の免疫機能を向上させることにより、ガンや肝炎等に対する治癒力を高める、とされています。
これは、米ぬかの食物繊維を分解させたものです。
これは多糖類に分類されます。
普通の糖類は、炭素原子6個を最小単位(単糖)として構成されていますが、これは炭素原子5個からなる単糖で出来ています。
自然界ではこのような糖はほとんど存在しないので、人間がこれを摂取すると、体は異物が浸入したと勘違いして免疫機構が働きます。
具体的には、ナチュラルキラー細胞という、ガン細胞やウィルスに感染した細胞を殺す細胞が活発化します。
以上、色んな効果がありすぎてまとまりがなくなってしまいました。
この他にも、色々と書ききれないところがありますが、この辺りでやめておきます。
参考にした本
農文協編 農家が教える健康の知恵 農文協
(前回と同じ)今回紹介しきれなかった米ぬかの利用も含めて、身近な素材の様々な利用方法が書かれています。
農文協編 米ぬかとことん活用読本 農文協
何度も紹介している本ですが、米ぬかの使い方について分かりやすく書かれていておすすめです。
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