2011年4月23日土曜日

米ぬかの農業以外の利用法(1)

以前に何度か、米ぬかの利用法について述べてきました。

肥料や雑草の管理、微生物の繁殖等々、米ぬかには様々な利用方法があります。

でも、米ぬかの利用は農業だけに止まりません。

そこで、この機会に米ぬか全般についてまとめておこうと思い、今回取り上げました。

で、基本に立ち返り、まず米ぬかとは?というところから。

米ぬかは、お米を精白した際に出るカスの部分です。

白米部は主に胚乳部分でできているのに対し、米ぬか部は胚芽と表面の外皮からなります。

胚乳部分は、芽が出て成長するために必要とする養分を供給するところで、主に炭水化物とタンパク質からなります。

これに対し、胚芽は新しい芽が出る部分そのものです。

さらに、外皮は環境から身を守ったり、発芽を抑制して冬の間に種を休眠させる機能を持っています。

これらの機能の違いから、米ぬかは白米部分と異なる様々な成分を含んでいます。

主な成分を列挙すると、タンパク質、脂質、ビタミンB1,B2,E、炭水化物、食物繊維、ミネラル分(Na,K,P,Ca,Fe・・・)等々です。

このように多数の有用成分を持つことから、利用法も様々挙げられます。

まずは、脂質分を抽出して精油することが挙げられます。

米ぬか中には、10〜20%くらいのの油分が含まれています。

従って、これを圧搾した後に、薬剤で抽出することによって精油が行われます。

ちなみに、日本では大部分の油は輸入に頼っていますが、米ぬかは、ほぼ唯一の国産可能な油の原料です。

この米ぬか油は、人間が生きていく上で不可欠とされる、リノール酸などの脂肪酸を含み、主にマーガリンやサラダ油に使われます。

ただし、このように米ぬかは油の原料として使えるにも関わらず、油落としにも使えるところが非常に特徴的です。

これは、米ぬか中にリパーゼという油脂を分解させる酵素があるためです。

このリパーゼにより、脂質は分解されて脂肪酸となりますが、これが石けんの原料ともなります。

米ぬか石けんは、手作りでも作ることができます。

重曹とか苛性ソーダのようなナトリウム原料を水に溶かして熱し、米ぬかを少しずつ入れてよくかき混ぜた後に冷やします。

さらに、わざわざ石けんにしなくても、直接使う方法もあります。

食器の油落としのときに、スポンジにつけたり、食器に直接付けたり、あるいは米ぬかとお湯でかき混ぜたりします。

洗剤と比べて、手荒れしにくいという利点があります。

また、ぬか袋というのも昔からよく使われました。

米ぬかを袋に詰めて、床や柱を磨くと汚れがきれいに取れます。

米ぬかは生でもいいですが、少し煎るとワックス効果によりつやが出てきます。

このぬか袋は、お風呂に入れたり体を洗ったりする時にも使えます。

皮膚の乾燥を防ぐ効果があるそうです。

ただし、米ぬかは菌が繁殖したり、参加して変質しやすいので、お風呂や石けんの代用等、直接手に触れるものについては、毎日変えた方がよいです。

そして、美容や食用にも、米ぬかは大きな力を発揮しますが、これは次回に回したいと思います。

米ぬかの農業以外の利用法 その2へ

参考にした本

農文協編 農家が教える健康の知恵 農文協



おばあちゃんの知恵袋、的な話が満載で、読んでいて思わず試したくなります。

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