先月の2度の台風で私の畑は冠水してしまい、いくつかの野菜は全滅してしまいましたが、ようやく復活してきました。
もともと我が家の畑は水田跡地で、湿気が抜けにいことが致命傷になったようです。
植物には水分の他に酸素分も必要で、水位が上がったために酸欠になったことが原因と思われます。
ちなみに、完全に冠水しなくても、地下水位が高い状態になるだけで野菜の生育は抑えられます。
このような水位の上昇による生育障害は、野菜の種類によって異なります。
サトイモやトウモロコシ等、水分を沢山必要とするものでは水位上昇による被害は少なく、ゴボウやナガイモなどでは被害は大きくなります。
私の畑で全滅したのは、キャベツやレタスですが、これらの野菜も地下水位の上昇には弱い野菜とされています。
そういうわけで、排水の良くない畑では特に水害には気を配らなければならないのですが、最近はどうも集中豪雨とか、鉄砲水とか多いように思います。
理由は色々考えられますが、そのうちの一つに、森林による貯水効果が低下したせい、という議論があります。
そこで、これについて調べてみました。
まず、森林の貯水効果とはどんなものかについて。
森林では、地面の団粒構造が発達して、スポンジのようにふかふかになるので、雨が降っても水を速やかに吸い込んで、川下に流す量を抑えてくれます。
そして、この水は徐々に放出することにより河川の水量が急激に増水するのが抑えられます。
緑のダム、とも言われていますね。
この機能が失われてきているということは、森林が減ってきたか、森林の貯水の機能が低下したかのいずれかということになります。
実際に、そのようになっているのでしょうか?
まず、森林が減ってきたか?ということですが、実は日本の森林面積は100年くらい前から66%くらいのままで、ほとんど変わっていません。
ただし、内訳は変わってきています。
昔は森林を伐採したあと、禿げ山のまま放置されていた山がありましたが、これは植林されて今や禿げ山はほとんど見かけなくなりました。
逆に宅地造成や、農地、工業用地の開発によって、森林が伐採された面積もかなりあります。
その二つがたまたまバランスして、面積はずっと一定のままという状態が続いています。
ですから、天然林はやや低下傾向となっており、現在は森林面積の約6割程度、人口林は増加傾向で約40%です。
そういうことで、全体の森林面積は変わっていませんが、元々山林だった場所を宅地等に開発したため、これらの地域が水害を誘発している可能性はあります。
すなわち、元々人が住んでいた地域は水害等の自然災害の少ない地域だったはずですが、そういったところは開発され尽くしているので、新たに開発する場所は、比較的災害の多い場所になることが予想されます。
このような場所に住むのですから、災害も増えるのだろうという訳です。
また、森林のうちの人工林は増加傾向にありますが、この手入れの状況も違ってきています。
人工林と言えば主にスギ、ヒノキですが、これらは以前は建築用に高値で取引されたため、数多く植林され、育てられてきました。
しかし、最近では木材価格の大幅な下落によって、手入れする人手も減り、荒れたまま放置されるようになっています。
もともと、スギやヒノキは沢山の苗木を植えて、成長する過程で間伐を繰り返し、最終的には最初に植えた苗木の1/3から1/4くらいまで減らします。
ところが、今はほとんど間伐もされないままなので、日射が地面まで差し込まず、下草が生えません。
従って、土がむき出しの状態になってしまっているので、雨が地面にじかにあたり、地面が侵食されたり水がしみ込まずに流れていったりします。
これも、水害の大きな原因の一つ、とされています。
以下、その2に続きます。
参考にした本
蔵治光一郎 保屋野初子編 緑のダム 築地書館
・・・2004年に、森林の貯水機能についてのシンポジウムが開かれ、そのときに発表された講演をベースにしてまとめた本です。
現在のこの分野の、ホットな話題について専門的に記述されており、とてもためになります。
河原輝彦 多様な農林の育成と管理 東京農大出版会
・・・この本は、重要な点に絞って簡潔な説明がなされており、林業の全体像を知るには有効でした。
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fukubei7です。
返信削除草刈り機で草を刈ってから管理機で表面を浅く耕すと、次に草が伸びて来るのを送らせる事が出来ます。
この遅れが、夏場の草の生長の早い時期にはありがたいです。
fukubei7さん、毎度のアドバイスありがとうございます!
返信削除夏場の草の防除にはいつも失敗して手を焼いています。
私の使用している畑はもと田んぼで、非常に水はけが悪く、一回雨が降ると何日も乾かないでこまります。
それで、いつも梅雨の間にボウボウに生えて手が付けられなくなる、というのがいつものパタンです。
来年は少々土が湿っていても、やってしまおうか、といろいろ考えているところです。