小錦といえば、これを読んでいるほとんどの人が現役時代の勇姿を目の当たりにしたのではないかと思います。
最盛期には、相手の力士がどんな動きを見せようとも動ぜず、まるでブルトーザーが砂利を運んでいくように土俵の外にずるずると押し出されていきました。
特に入幕直後の印象が強烈で、黒船来襲とも言われましたね。
コニシキソウというと、この小錦を思い浮かべますが、勿論関係ありません。
コニシキソウは、小錦・草ではなく、小・錦草、つまり小さなニシキソウという意味です。
ちなみに、両者どちらもアメリカから来たものですが、小錦の方はポリネシア系であるのに対し、コニシキソウは北アメリカ大陸原産で、名前同様、似て非なるものです。
コニシキソウは、ほふく性で背は低く、茎は枝分かれしながら真ん中から放射状に広がっていきます。
茎は赤っぽく、葉は濃緑色で、中央に赤い斑紋があります。
(写真は、中央の斑紋がないのでコニシキソウではなく在来のニシキソウかもしれません。だし、赤い斑紋のないコニシキソウもみられるそうです)
この緑と赤のコントラストコントラストを、昔の人は錦に見立ててこう呼んだようです。
大きな特徴は、前述したほふく性であることです。
これによるメリットは、背が高くなるための構造的な強度が必要ないことで、デメリットは、他の背の高い植物に日射を遮られて光合成しにくいところです。
しかし、ほふく性の植物は、このデメリットを縦方向からの圧力に強くすることにより解消しています。
すなわち、人間がよく通るような場所では、背の高い植物は踏まれて枯れてしまいますが、コニシキソウは平気で成長できます。
似たようなほふく性の雑草としては、オオバコも有名です。
オオバコ
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これも踏まれても強く、学校のグラウンド等によく生えていますが、受粉する時には風で花粉を飛ばすため、茎を地面から上に伸ばしています。
しかしコニシキソウは、花も地味に地面近くで咲きます。
受粉はアリが行うため、高くする必要がないのです。
でも、生息範囲を広げるため、種は遠くまで飛ばす必要があるでしょう。
背が高い方が、遠くに飛ばしやすいはず。
しかしこれも、人間が踏んだ際に、靴にくっついて旅していき、遠くにいけます。
コニシキソウの種はべとつきやすいのです。
どこまでも徹底して低さにこだわるコニシキソウ、なかなか合理的に出来ていますね。
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