ナメクジについては、過去に何回か書きました。
でも、依然として防除は難しく、克服できないでいます。
特に、キャベツやブロッコリーのようなアブラナ科の野菜が問題です。
アオムシとナメクジの両方を防がなければなりません。
私の場合は、アオムシを防ぐために不織布で苗を覆って入れなくしています。
でも、こうすると不織布と地面が接触しているところが、格好のナメクジの住処となります。
ナメクジも、苗が小さい時はベイト剤という農薬で誘引して退治できます。
でも、キャベツが結球してその中にもぐられてしまうと、もうどうしようもありません。
結球前までに、勝負をつけなければなりません。
実際、私の場合も結球前までに勝負を付けられて、キャベツをだめにし続けています。
という訳で、何とか一矢報いたく、再び勉強です。
まずは、ナメクジの一般論から。
ナメクジは、巻貝の仲間です。
水中に住む(すなわち、エラ呼吸する)巻貝が、肺を持って陸上に上がったのが、カタツムリ。
そしてさらに、カタツムリの背中の貝殻が退化したのがナメクジです。
すなわち、ナメクジはカタツムリの進化形ということになります。
貝殻が退化した方が進化形、ということは貝殻がない方が有利な理由があります。
それは、
・貝殻を作るエネルギーを節約して、体を成長することに回せる
・貝殻がない方が動きやすくなり、狭いところに潜り込んだりできて行動範囲が広まる
などです。
また、カタツムリの別の特徴として、単純な外観とは裏腹に、結構複雑な体の構造を持っています。
上述の通り、肺もありますし、その他内蔵や生殖器官もあります。
ちなみにナメクジは雌雄同体なので、一匹の体の中で、ペニスもヴァギナも持っています。
少々下品になりますが、交尾の際には、お互いの精子を相手に注入しあいます。
神経や脳みそも持っており、生意気にも結構賢いらしいです。
次に行動、嗜好について。
ナメクジは、主に夜に行動します。
昼間は土の中や石の下に隠れているので、見つけて捕殺するのはなかなか難しそうです。
高温多湿の時に、活発に活動します。
ナメクジの好物は、ビール、バナナ、ニンジン等。
またまた生意気なことに、甘いものを好みます。
逆に苦手なのが、苦いもの。
ビールは苦いとは思わないのでしょうか?
まさか、人間の子供より味覚が発達しているのでしょうか?
ナメクジの種類は沢山ありますが、日本でよく見かけるのは主に3種類です。
昔ながらの在来のナメクジ、産地に住む大型のヤマナメクジ、ヨーロッパからの帰化種のチャコウラナメクジです。
最近は在来のナメクジはあまり見かけなくなり、チャコウラナメクジに取って変わられつつあります。
チャコウラナメクジは、背中に二本の筋が入っています。
また、背中に貝殻の退化したあと(コウラ)があることで、日本の在来種との見分けがつきます。
このチャコウラナメクジは、世界中の色んなところで生息範囲を広げています。
日本でも、北海道から奄美大島まで分布しているようです。
このように分布を広げる原因としては、このナメクジの適応能力の高さが挙げられます。
在来のナメクジは、成長して大人になった状態で越冬し、翌年の4〜6月頃に産卵します。
そして、その後40日程度でふ化します。
ところが、チャコウラナメクジは、卵が暑さに弱いため、日本の温暖な地域ではふ化、成長するのが困難です。
そこで、こういった地域では、晩秋から秋に繁殖します。
一方、北海道とか寒い地域では、もっと早い時期に産卵し、地域によって繁殖時期を変えられます。
敵ながら、この適応能力の高さには舌を巻きます。
実に忌々しいことです。
参考にした本
盛口満 ゲッチョ先生のナメクジ探検記 木魂社
・・・「探検記」の名の通り、珍しいナメクジを探してあるく様子が生き生きと描かれており、楽しく読めます。
その途中に、ナメクジの色んな特徴や生態についても詳しく述べられており、参考になります。
米山信吾 編著 病気・害虫の出方と農薬選び 農文協
・・・各種の害虫の生態を、簡潔にまとめてあります。
ナメクジについての記載も、わずかですがよくまとめられています。
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