蚊 その1からの続きです。
その1では、蚊が交尾した後、一旦精子を保管した後、血を吸うところまでを述べました。
血を吸ったメスの蚊は、それを栄養にして、卵巣を発達させます。
血を吸って3〜4日で血を全て消化し終えて、受精、産卵します。
産卵する場所は、種類によって異なりますが、イエカではドブや汚水だめなどの比較的大型施設の汚れた水、ヤブ蚊では空き缶や竹の切り株等の小型で比較的きれいな水が多いです。
卵は、1〜2日でふ化してボウフラとなり、一週間程度で数回の脱皮を繰り返してサナギとなり、さらに3日ほどで羽化して成虫となります。
一匹のメスで、このような交尾〜産卵を春から秋にかけて、数回繰り返します。
こういった生活史から、蚊を根本的に減らす方法について考えていきます。
まず、蚊が卵を産めなくするために、水たまりを出来るだけなくすることが考えられます。
空き缶は片付け、廃タイヤ等にたまった水は排出しておきます。
排水路等で水がたまったりしていたら、溝掃除をして水が流れるようにしましょう。
逆に、わざと水たまりを作っておく方法もあります。
桶に水を張っておいて、蚊に卵を産ませます。
上述の通り、卵を生んでからその卵がかえって成虫になるまで、10日くらいかかりますので、それまでに桶の水を道路やコンクリートなどからからに乾いたところにぶちまけると、ボウフラは死滅します。
これを何回か繰り返すと、蚊の発生はかなり抑えられるそうです。
ただし、これは周りにたまり水がないときの対策です。
水田や池の近くなどで、水たまりをなくせないような場所では効果がありません。
このような場合は、殺虫剤、その他の薬剤を用いるのが有効でしょうが、諸般の事情もあり、なかなかそういう訳にもいかないでしょう。
薬剤以外の方法を使うとすれば、やはり天敵を使う手が考えられます。
蚊の天敵と言えば、メダカ、カダヤシ、カエル、クモ・・・といろいろいます。
ここで、カダヤシというのは、メダカによく似た小さい魚で、ボウフラを沢山食べるため、「蚊絶やし」と命名されています。
ただし、カダヤシは北アメリカからの移入種で、このためにメダカが駆逐されているとの報告もあり、現在では放流が禁止されています。
あと、ボウフラにはボウフラを、というわけで、人を刺さない蚊を持ってくる手もあります。(人を刺す蚊は全体のほんの一部です)
ボウフラは雑食性なので、大型のボウフラが小型のボウフラを食べてくれます。
ハワイでは、吸血性の蚊を退治するため、オオカという種類の蚊を輸入したそうです。
オオカは足も含めれば体長3センチ程度で見かけると一瞬ぎょっとしますが、刺されることはありません。
参考にした本
普後 一 人が学ぶ昆虫の知恵 東京農工大出版会
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