前回は、チョウの幼虫がアリを食べるというおどろおどろしい話を書きました。
今回は逆に、チョウの幼虫が被害者となる側の話です。
今回も、おどろおどろしく行きたいと思います。
今回の悲劇の主役は、アオムシです。
アオムシには色んな天敵がいて、その分色んな悲劇が待っています。
まずは最初の天敵、アオムシコマユバチ、寄生蜂です。
この蜂は、アオムシを見つけるとその上に止まり、産卵管をぷすりと刺します。
そして、アオムシの体内に数10個の卵を産みつけます。
この時点では、アオムシは外見上、特段の変化はありません。
元気?に動き回り、私が大切にする大事な野菜の葉っぱを食べてくれます。
そのうちに、体の中の卵がふ化します。
ウジ虫のような形の蜂の幼虫は、アオムシの体内でもぞもぞとうごめきながら体の組織を食べていきます。
この時点でも、まだアオムシは生きています。
生きて、葉っぱを食べていますが、もはやそれを栄養分として成長できません。
自らの体を使って、葉っぱを蜂の幼虫に食べられるように変換しているだけです。
蜂の幼虫はどんどん成長し、やがてサナギになります。
サナギになる時、幼虫たちは一斉にアオムシの体の表面を食い破り、アオムシの体の表面で繭を作りはじめます。
アオムシは、食い破られてついに絶命。
映画「エイリアン」を思わせる壮絶な最期です。
次に登場する、寄生バエもなかなかのものです。
カイコノウジバエや、ブランコヤドリバエ等が知られています。
これらのハエは、上述の蜂よりもやや受動的です。
卵を、チョウの幼虫の食べそうな葉っぱの上に生みます。
そして、その葉っぱが食べられるのを待ちます。
運よく食べられると、その消化器官の中で卵がかえり、ウジ虫がわいてきます。
そしてその後は、上述の阿鼻叫喚が待っています。
次の天敵。
アオムシは、ウィルスや伝染病にかかりやすいため、成虫になる確率はかなり低いです。
多くが、アオムシのまま死にます。
この死骸を利用するのが、最後の天敵、ヒトです。
なんと、この死骸を集めてきては、まとめてすりつぶします。
そしてこれを水で薄めて、自分が育てている野菜に散布します。
この後、これを食べたアオムシは、伝染病にかかって死んでいく、という寸法です。
ウィルススプレーという方法で、効果は如何にもありそうに思いますが、ちょっと気持ち悪いですね。
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