チョウは見た目がヒラヒラと優雅なばかりでなく、アオムシ等の実害もあるため、虫の中でも特によく研究されています。
でも、見た目の優雅さとは裏腹に、その生き様にはかなりグロテスクなところもあります。
スプラッタ映画等に出てくる毒々しいシーンは、こういった昆虫の生活を調べて参考にしているのではないか?などと思えてきます。
今回はその一例として、チョウとアリの関係について述べます。
チョウといえば、幼虫も成虫も全くの草食と思いがちですが、必ずしもそうとばかりは言えません。
シジミチョウの仲間の、ゴマシジミやゴイシシジミ等は虫も食べます。
もともとこれらのチョウも、祖先は草食でした。
そして、モンシロチョウや他のチョウと同様、幼虫は特定の種類の草を食べていました。
ところが、その草にはアブラムシもよく寄生していました。
それでそのうちに、その幼虫は葉っぱと一緒にアブラムシも食べるようになったのです。
肉食化の始まりです。
でも、アブラムシにはアリという味方がついています。
アブラムシのおしりから出る甘い汁をアリが吸い、その代わりに、アリはアブラムシの身を守るという共生関係が成り立っています。
では、アブラムシを食べるようになったその幼虫はどうしたか?
何と、自分もおしりから甘い汁を出し始めたのです。
これで、その幼虫もアリに身を守ってもらえます。
進化はさらに続きます。
そのチョウの幼虫はアリに甘い汁を供給するうちに、アリの巣に連れて行かれるようになりました。
そこでアリの持ってきたエサを食べながら甘い汁をアリに供給し、そして羽化していきます。
そうこうするうちに、今度はチョウの幼虫はアリの幼虫を食べはじめたのです。
チョウの幼虫はアリの幼虫に覆いかぶさって食べるので、アリの成虫は気付きません。
自らの子孫が食べられるとも知らずに、敵をせっせと巣の中に運んでくるアリたち。
そして、自らの子孫を食べられて、それによって出てくる分泌物を吸うアリたち・・・
怖いですね。スプラッタ映画のようだと書きましたが、心理ホラー的でもありますね。
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