肥料についてこれまで何度か書いていますが、なかなか難しい分野なので、再度調べてみました。
今回は肥料と土壌との関係について述べてみたいと思います。
まず、土壌とは何だろう、と百科事典をひもとくと、「岩石の風化産物である微細な破砕物質と植物の遺体に生物作用が働いたもの」
と書いてあります。
断面構造からみると、一番下の母材となる部分が岩石の風化した微細物質、一番上が植物の遺体に生物作用が働いたもので、その間に中間層、という構造です。
今回は、主にこの母材部分に焦点を当てて話を進めます。
この毋材は、住む地域によって種類が変わってきます。
自分の耕作する場所が、地質的にどのようなところか確認してみましょう。
これは、国土交通省のホームページのここで調べることができます。
この中で、自分の住む地域を順次選択後、ページの下の方にある「土地分類基本調査」から「表層地質図」や「土壌図」を選んで表示ボタンを押すと出てきます。
ちなみに私の住む場所は沖積土の細粒グライ土壌だそうです。
沖積土というのは川上の山地から流れてきた土が堆積してできた土壌です。
また、グライ土壌というのは、水はけの悪い土壌です。
日本の土壌は台地土、火山性土、沖積土が多いそうです。
このうち、耕作に利用されているのは沖積土が多く、次いで火山性土です。
火山性土は関東南部で一般的で、いわゆる黒ボク土と呼ばれる土壌です。
これは、黒くてボクボクするから黒ボク土と言うのだそうです。
黒ボク土では、肥料に入れたリン酸が効きにくいという特徴があります。
黒ボク土壌中には、化学的に活性なアルミニウム酸化物が多く、肥料にリン酸を投入してもアルミと反応してしまって固定化してしまいます。
植物はリン酸、チッソ等々、全て水に溶けたイオンの形で吸収するので、固定されてしまうと吸収できなくなるのです。
また、他の肥料成分も低いのが特徴的です。
これに対して、沖積土ではリン酸の供給量も、他の成分も多いです。
川上から養分を含んだ土が流れてできた土壌だからです。また、かん水のときに使う川の水からも栄養分が供給されます。
よく、野菜栽培の教科書で肥料成分の量はこれくらい、と書いてありますが、多くの場合、南関東を基準に書いています。
腐植層の量や、その他の条件にも左右されますが、もし植物にリン酸が10必要だとすると、黒ボク土では80施肥するように指導され、沖積土では40入れるように指導されます。
南関東は黒ボク土が多く、リン酸は土に固定される分を余分に入れていますので、沖積土にすむ人は、施肥量を少し調整してやる方がよいようです。
ちょっとテーマが広すぎて、発散しそうなので、このあたりで一旦やめておきます。
以下、土壌と肥料、その2に続きます。
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