今年の夏は異様に暑かったですね。
体調を崩しがちになりますが、皆様大丈夫でしょうか?
江戸時代では夏が一年のうち最も死亡率が高い季節でした(現代では冬)。
食あたりや病気の流行、暑さによる体力の消耗などがあったのではないかと思われます。
そこで、今回は体調管理の一環として、ハーブについて取り上げます。
ハーブというと、ローズマリーとかカモミールとか、カタカナの名前の花を思い浮かべる方も多いかと思います。
しかし、これらは数多いハーブのうちの、ごく一部でしかありません。
正確な定義についてはなかなか難しそうですが、もともとは香辛料とか薬用とかに用いられる草を指していたようです。
それがだんだん防虫や香りを楽しむような用途に拡張されたり、あるいは草だけでなく木も含んだりしてきました。
今回では、特に薬用として用いられる植物について、述べて行きたいと思います。
一言でハーブといっても、薬効のある植物は極めて多くの種類があります。
植物の種類は、世界で35万種くらいあるといわれていますが、そのうちの約10%が、何らかの薬効を持っているとされています。
残りの90%も、調査が進んでいないだけで、もしかしたら今後薬効が見いだされるかもしれません。
このような植物は、栽培される場合もあれば、自生しているものを採取する場合もあります。
自生しているものを取ってくる場合は、山林の所有者に採取してもよいか確認する必要があります。
また、全部を取りきらず、他の方のために残すようにしましょう。
地上部を利用する場合は、根こそぎ掘り取らずに、上だけ刈るようにします。
あと、似たような植物で、非常に紛らわしいのがありますので注意が必要です。
薬草と間違えて、毒草を採取しては危険です。
本などで十分確認するとともに、ベテランの方の指導を仰いで行いましょう。
紛らわしい例としては、猛毒のトリカブトとリウマチに効くとされるニリンソウ。
あるいは、抗菌作用や高血圧予防効果のあるギョウジャニンニクと有毒植物のスズラン、といったあたりが、よく間違われます。
時々、これらを食べて食中毒で死亡、とかいうニュースもあります。
自生しているのを探すのはどうしても多量に採取できないので、栽培することも行われます。
ヨモギやハコベなど、通常は雑草として生えているものをわざわざ栽培することもあります。
栽培する時の注意点としては、肥料を与えすぎないこと。
前にここでも述べましたが、肥料を多くやりすぎると、植物体内の有効成分量も減り、薬効も小さくなります。
また、葉を利用する植物の場合は、トウ立ちしたり開花した時期のものを利用するのが良いです。
その頃が、個体として充実して栄養価も高まります。
人間でも、思春期から20代くらいが気力、体力とも充実していますし。
ただし、植物によっては、未熟なものは有毒物が含まれていることがあるので避ける必要があります。
例えば成熟していない梅では青酸化合物が含まれています。
モロコシの茎汁などは、化粧品にも使われますが、若い茎葉にも青酸が含まれています。
植物によって異なるので、事前によく確認しておきましょう。
このようにして採取した後は、乾燥させます。
葉を利用する場合は陰干しするのが基本です。
日光に当てると、紫外線で変質しやすくなるためです。
また、乾燥前に事前に蒸したり湯通ししたりして熱を与えることも行われます。
酸化酵素を分解させて、葉の緑色が変色するのを防ぐためです。
種や茎、根などは天日干しで素早く乾燥させる方が適しています。
以上、とりとめのない内容となりましたが、興味のある方はお試しを。
参考にした本
雑誌 現代農業 2010年7月号 農文協
↓
農業雑誌らしく、色んな植物の種類ごとに利用方法が細かく書かれています。
村上光太郎 薬草療法ハンドブック 法研
↓
・・・薬草を採取する時の注意点や基本的な知識がかかれており、参考なります。
この他にもハーブの本は多数ありますが、各論的な話が多く、あまり総合的にまとめられた本は見当たりませんでした、
もし、いい本をご存知であれば、お教えください。
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