2012年8月6日月曜日

昔の度量衡について、その2

前回からの続きです。

 面積の単位も偶然かどうか分かりませんが、よく出来ています。

 今でも使われますが、坪という単位がありますね。

 1坪は約3.3平方メートル。

 この面積分コメを作ると、昔はコメ3合分できました。

 1合が1食で3合で1日分に相当します。

 つまり、1坪は大人1日分のお米が取れる面積ということになります。

 では1年分は、というと、だいたい360日分をかければよいので、

 1合×3食×360日=1石(約180リットル)

 1坪×360日=1反(約1000平方メートル)

 つまり、1反とは大人1人分の食料を供給できる面積ということになります。

 話は脱線しますが、よく加賀100万石とか、伊達何10万石とかいいますが、あれは100万石の米を作れる土地、という意味もさることながら、100万人が生きていける土地、という意味にもなります。

 飽食の現代では、盲点になりやすいですが、人やモノの出入が少なかったので、収穫量が人口に直結するわけです。

 最後に、時間の数え方も現在とは大きく異なっています。

 今は、太陽の回りを地球が公転するのを基準として1年を割り振った太陽暦。

 これに対し、昔は月の満ち欠けを基準として1ヶ月を決めていました(太陰暦)。

 ただし、月の満ち欠けを1ヶ月とすると、1年はぴったり12ヶ月とならず、すこし端数が生じますので、これに閏月を時々入れて修正します(太陽太陰暦)。

 この太陽太陰暦は、別名農暦ともいわれるように、農業に適した暦です。

 季節の変化を敏感に感じ取ることができるとともに、月の満ち欠けに合わせて農作業をすることにもなります。

 月の満ち欠けが植物の生理に影響する、という話は広く知られていて、例えば、満月に種まきを、新月に定植をすればその後の生育が順調に進む、とかいわれています。

 太陽暦では基本的に月の満ち欠けとは関係ないので、よくわかりませんが、太陽太陰暦では満月が15日、新月が1日、とすぐに分かります。

 時間の長さも昔と今で違います。

 今は定時法といって、1時間の長さは年中一定です。

 一定なので厳密ですが、人間の活動という意味では不便な点もありますね。

 これに対し、昔は不定時法といって季節によって1時間の長さが変わっていました。

 すなわち、概ね夜明けを明け六つ、夜更けを暮れ六つとして、これを12等分して1時間の長さを決めていました。

 従って、夏の1時間は長く、冬の1時間は短くなります。

 時間の変わり目には、24節気を使用します。

 現在でもサマータイム等という制度で夏に1時間ずらす地域もありますが、もっと徹底していますね。

 真夏の日の出直後のもっとも過ごしやすい時間帯を無為に寝て過ごしたり、真冬の真っ暗な中に起きだして出かける支度をしたりする必要がないので、結構合理的な気もします。

参考にした本

石川 英輔  ニッポンのサイズ  講談社文庫


小泉袈裟勝  単位もの知り帳  彰国社サイエンス 


・・・どちらも、昔の単位についての珍しい話が満載で、読んでいて楽しいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿