本格的に寒くなってきましたね。
寒くなると、気になるのが腰痛です。
私も腰痛持ちで、椎間板ヘルニアと診断されたこともあります。
そこで、今回は腰痛については調べてみました。
腰痛についてはだいぶ以前にも書きましたが、今回は特に腰痛となる原因に重点を絞って述べていきます。
そもそも、人間が腰痛になりやすい原因を作ったのは、二足歩行を始めたためと言われています。
4本足で立っていれば、体重を分散して支えることができます。
しかし、2足で立ち上がることによって体重がもろに腰にかかるようになりました。
腰骨や筋肉の負担も、著しく大きくなります。
さらに、多くの人は立ったり座ったりする時に重心が前にのめり込むような形になりがちです。
姿勢よく、まっすぐに立ったり座ったりする人は、あまりいません。
これには、以下のような様々な理由があります。
1.日常の動作が前傾姿勢で行われがち。
・・・農作業でも、背中に荷物を背負って歩く時、とか、しゃがんで間引きや収穫をする時など、ほとんどが前傾姿勢になります。
2.正しい姿勢を保つのはしんどい。
・・・正しい姿勢にするために、胸を張ってあごを引き、腹をへこませているように指導されますが、これはかなりしんどい姿勢ですね。
こういったことで、多くの人が多くの時間を前傾姿勢で過ごしています。
このような姿勢でいるとどうなるかというと、まず一つは腰に余分な重みがかかることになります。
鉛筆や箸などの細長いものを使って、確認してみましょう。
これらの根元を指で支えて、立ててみて下さい。
鉛筆を地面にまっすぐ垂直に立てていると、さほど重みを感じませんが、だんだん傾けていくに従って、指に力が沢山かかるように感じられますね。
人間が傾いて立っても同じで、支点となる腰に大きな力がかかってきます。
例えば、体重70kgの人が軽くお辞儀をすると、腰には140kgの力がかかると言われています。
さらに、このような力の大きさだけでなく、力の方向も重要です。
まっすぐに立っていると、地面と垂直に力がかかります。
腰骨にとっては押しつぶされる方向ですが、骨や軟骨が十分強ければ別段問題ありません。
しかし、前傾姿勢になっていると、腰には圧縮する力の他にすべる方向にも力が働きます。
ちょっと例えが変ですが、だるま落としをそのまま置いておいても倒れませんが、傾けると胴が滑ってしまうようなものですね。
勿論、人間は胴が滑ることはありませんが、これは筋肉やじん帯がすべり方向の力を支えているからです。
前傾姿勢を続けていると、筋肉が長時間すべり方向の力を支えるために緊張し続け、これにより筋肉の血流が悪くなります。
この血流の滞りが、腰痛の原因と考えられています。
以上が、一般的な腰痛の起こるメカニズムの説明ですが、最近は別の考えも提案されています。
これは、腰痛が心理的な要因による、とする理論です。
ひと言で言うと、心理的な抑圧を無意識にそらそうとして、自律神経が腰回りの筋肉やじん帯の血流を滞らせることにより、腰痛が起こるとされています。
この考えに基づいた治療により、これまで原因不明とされた多くの腰痛患者の症状が改善されたと報告されています。
腰痛については原因も様々で、まだ分かっていないことも多く、このような従来の骨の構造の話とはかなり異なる説明とかいろいろあって、面白いですね。
心理要因の腰痛の詳細については、また別の機会があれば取り上げてみたいと思います。
参考にした本
菊池臣一 腰痛 医学書院
・・・腰痛に関する決定版というくらい、詳細で丁寧な解説がなされています。
素人の私でも十分興味深く読めます。
伊藤和磨 腰痛はアタマで治す 集英社新書
この本も説得力に満ちた、興味深い良書です。
値段がお手頃なのもうれしいところです。(上の本の1/10以下!)
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