2012年5月20日日曜日

光と花芽の形成、その1

今回は光と植物の関わりに関する話題を取り上げます。

光と植物といえば、最も有名なのは光合成ですね。

光合成で得られた有機物により、我々の生命が支えられています。

これ以上、重要な現象はないですね。

しかし、植物は光を光合成だけに利用している訳ではありません。

光を検知して、自分の成長を調整しています。

明るいか暗いかで、育ち方は大きく変わってきます。

もやしやカイワレ大根を作るのに、光を遮って育てますね。

そうすると、ひょろひょろと細長い茎がのび、葉がほとんどなくなります。

このような、単純な明るさだけでなく、明暗のリズムも重要です。

光周性と呼ばれますが、一日の昼間と夜の時間のサイクルに応じて、植物が色んな反応を起こします。

例として面白いのは、オジギソウやカタバミ等で有名な就眠運動です。

夜になると葉を閉じて、水分や体温が奪われるのを防ぎます。

そして夜が開けると葉を開いて、日射を十分浴びる体勢を整えます。

他にも、木の落葉とか、多年生植物の休眠とか光周性の例はいろいろあります。

これらの中でも、もっとも興味深いのは花芽の形成や生育ではないかと思います。

光で花芽の出方を調節できるなら、色々と利用法がありそうですね。

例えば、キュウリやカボチャ等の果菜類をすばやく着果させたい、とか、ホウレン草や春菊が春にトウ立ちするのを抑えて長く収穫したい、とか・・・

では具体的に、光は花芽形成にどのような影響を及ぼすのでしょう?

以下、その2に続きます。

参考にした本

古谷雅樹 植物は何を見ているか  岩波ジュニア新書


・・・中高生向けに書かれた本で、最初の方は興味深く読み進められます。

しかし、読み進めるにつれ、だんだんと難しくなっていって、最後の方はかなり骨が折れます。

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