(その1より続く)
体調は3cmくらいで色は薄緑色、黒い斑点が2列に並んでいました。
にっくき害虫、ヨトウムシです。
私の百姓修行における、最大の難敵といっても過言ではありません。
ヨトウムシは、昼間は土の中に潜っています。
夜になると出てきて、キャベツやハクサイなどの葉っぱを食べます。
葉っぱは、葉脈だけのスジ模様になります。
そして夜明けとともに土の中に潜り込みます。
その後、私が畑に出てきてorzとなります。
朝早くに畑に行くと、たまに葉っぱの上に残っているやつもいます。
これを見ると、「ここで会ったが百年目!」とばかり怒りの炎が燃え上がります。
そして、捕まえようと手を伸ばすと、葉っぱに手が当たって、その振動でヨトウムシはポトリと下に落ちます。
植物の影に隠れてもう見つかりません。
全く忌々しいやつ!!
何とか駆除する方法はないかといろいろ調べたら、何と、米ヌカでヨトウムシを殺す働きがあると書いてありました。
曰く「ヨトウムシが米ヌカを食べて腹を下す」とか何とか・・
本当??
そもそもムシのおなかの中ってどうなっているの?
と頭の中は?マークだらけになりました。
で、半信半疑ながらやってみました。
結果は? う〜ん・・・
効果あるみたい!
米ぬかをまいてもヨトウムシの死骸は見つかりませんでしたが、葉っぱの食われ方が少なくなったようです。
腹下し、侮れず!
まあ、ハクサイやキャベツのような虫のつきやすい野菜は、米ぬか一つで完全に駆除できる訳ではないですが、農薬と組み合わせて何とか収穫まで持たせています。
まだまだ自分の栽培技術は未熟だと痛感します。
何はともあれ、害虫には効果がありそうです。
で、米ぬか。
前回、肥料としての使い方について書きましたが、上に述べたように有害生物から植物を守るという働きもあります。
有害生物と言っても、
雑草
害虫(ヨトウムシやコオロギ、バッタ、アオムシ等)
有害微生物(野菜の病気のもととなる細菌、ウィルス等)
有害動物(ヌートリアやモグラ、ネズミ等)
など各種いますが、この中の有害動物については効果があるという話は聞いたことがありません。
害虫については先ほど述べた通りです。
残りの2つについても、何かしら効果が報告されています。
まず除草について。
前回も書きましたが、米ぬかを直接肥料として使うと植物の発芽や根が障害を受けることがあります。
これを逆手に取って、雑草の発芽防止に使えます。
私は除草剤を使わないので、米ぬかで除草できるのならもうけものとやってみたことがあります。
実際、確かに効果はありました。
でも梅雨から夏場にかけての雑草の生育がさかんになる時期では焼け石に水でした。
抜群の効果という訳にはいきませんでした。
次に有害微生物。
ここで、ウィルスは厳密な意味では生物ではないそうですが、面倒なのでまとめて微生物とさせてもらいました。
米ぬかを通路に撒くと、米ぬかを餌にさまざまな菌が発生して葉っぱに付着し、有害な微生物が繁殖しすぎるのを防ぐというメカニズムだそうです。
こちらについては、やっては見ましたが、効果の程はあまりよくわかりませんでした。
もともと、この問題については私は今のところ困っていません。
キュウリやカボチャでうどん粉病がたまに出ますが、石灰をまいて対応しています。
でも、米ぬかをまいた後に雨が降ると、まいたところがカビで真っ白になるのでビジュアル的に面白がっています。
(念のため書きますと、米ぬかをふってカビだらけになるのはごく自然なことで、別段人間や作物の健康に悪影響はないそうです。)
最後に米ぬかを使用するときの注意点について。
米ぬかも当然ながらデメリットがあります。
まず、すぐ虫がわくことです。
米ぬかのまわりにハエがよく飛んでいます。
私は無視していますが、あまり気持ちのいいものではないです。
幼虫が根を食べることもあります。
ある程度大きな苗を定植したら問題ないとは思いますが。
次に、米ぬかを撒くとミミズが増えます。
ミミズ自体は土を肥やして作物によいと言われますが、ミミズを食べにモグラがきて穴があくことがあります。
次に保管上の注意点としては、ちょっと状態の悪いところで放っておくと微生物が繁殖して、薄いビニール袋などすぐに穴をあけてしまいます。
そうなると、米ぬかが外にもれ、そこに虫が来て奥様に叱られることになります。
最後に法律上の注意点について。
前にえひめAIについて書いたときも述べましたが、米ぬかも農薬取締法で登録されていません。
農薬としての目的で米ぬかを使うのは違法行為となるようです。
肥料としては、肥料取締法の特殊肥料として登録されています。
従って米ぬかを使用する場合は、肥料目的で使用するようにしましょう。
以上、米ぬかの利用範囲は広く、他にもまだまだいろいろな使い方ができそうです。
私は、今のところ十分活用できているとは言いがたいですが、うまく使いこなせるようになりたいです。
なお、米ぬかの利用について、もっと詳しく知りたい方は、
農文協編 「米ぬかとことん活用読本」
あるいは、同じく農文協編の「米ぬかを使いこなす」
等が分かりやすくてよろしいかと思います。
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