2009年10月9日金曜日

畑での米ぬか利用、その1


何回か前にえひめAIを利用している、という話を書きました。
→ こちら 

もう一つよく使うものに米ぬかがあります。

米ぬかがうれしいのは、とにかく安いこと、そして入手が容易なことです。

私は、ホームセンターで米ぬかを入手します。
ホームセンターのすみの方にコイン精米機があり、そこで自由に持ち帰りできるのです。

大都市や田舎以外の中程度の規模の街では、このようなホームセンターがどこかしらあると思います。

またホームセンターがないような田舎では、自分の家で精米している場合が多いでしょうから、ただで手に入ります。

自分の家で精米していなくても、近所からもらうこともできます。

大都会の真ん中では、安く入手できないかもしれませんが、ここでは百姓をすることもないでしょうから、良しとします。

以上から、ほとんどのお百姓さんは、米ぬかを安価に手に入れられると思います。

ちなみに、私の場合は米ぬか自体はただで持ち帰りますが、会社からの帰りに寄り道するときのガソリン代が少しかかります。
(自動車通勤しています)

ざっと米ぬか1キロあたり1.5円くらいになります。(作業工数は30分にもならないので除いています。米ぬかを
入れる袋代はガソリン代に比べてごくわずかです。)

ついでながら、比較として牛ふん堆肥の値段をインターネットで調べると、キロあたり50〜60円となります。

さらについでに肥料成分としてチッソ1kgあたりで考えると、尿素(チッソ44%)ではだいたい300〜400円、
米ぬかは上記の値段でチッソ2%とすると、チッソ1kgあたり75円になります。

いかに米ぬかが安い素材かが分かると思います。

で、これは使うべし、ということでいろいろ試しています。

でも、これがなかなか難しいです。

一般に農業資材を用いる目的としては、
1) 植物を元気に大きく育てる(肥料や生育促進)
2) 有害な生き物から植物を守る(防虫、殺菌など)
の二つがあります。

米ぬかは、このどちらの目的にもなります。

このうちの、1)元気に大きく育てるということに関しては、さらに
1−1)直接肥料として使う
1−2)ぼかし肥にして使う
の二通りに分けられます。

ここで、ぼかし肥とは直接肥料として使わずに、一旦発酵させたものです。

米ぬかを土に混ぜると、土の中で微生物が急激に繁殖します。

その結果、菌が土の中の酸素分やチッソ分を奪ったり、温度が上がりすぎたりします。

それで植物に障害が出たり、肥料切れになったりすることがあります。

ぼかしにすることにより、このような障害を防ぎ、植物に利用させやすくします。

そこで私も、ぼかしを作ろうといろいろと試してみました。

作り方は、
台所の生ゴミや土、米ぬか等をまぜる
→水分量を調整して、よくかき混ぜる
→十分発酵する
です。

ここで、水分量の調整とかき混ぜることが重要だそうです。

でも、水分量を調整すること、かき混ぜることのいずれも難しいです。

いまだに成功したことがありません。

水分量は、水分計などないので見た目とカンで調整しました。

でも、すぐに乾いてしまいます。

乾いてしまうと、発酵が進まなくなります。

乾かすまいと思って水を入れすぎると悪臭がします。

かき混ぜるのは少量だけなら簡単ですが、多量になるとひと苦労です。

でも少量ではすぐに乾いてしまうので、ある程度の量をいれなければなりません。

毎日毎日、かき混ぜながら水分を少し足していきます。

すると虫がわいてきます。
しゃれにならないくらい。

当然、妻に怒られます。

それで、虫が入ってこないようにぴったりと容器を閉じます。

容器には段ボールを使っていますので、このふたを閉じて、上からお盆をのせます。

それでも、虫は入ってきます。

当然、妻に激しく怒られます。

それで、さらに厳重に密閉しようとします。

すると、一々段ボールを開けて、かき混ぜるのが億劫になります。

その結果、ぼかし肥のことを忘れてしまいます。

それで何日か経って、会社から帰ると、妻が激怒しています。

それで段ボールを開けると・・・
(以降、食事中の方のために描写を控えます)

と、このような経緯を経て、ぼかしを作るのはあきらめました。

それで、直接肥料として使うことにしました。

このときの参考書は、
青木恒男著  青木流 野菜のシンプル栽培 農文協


この本の著者の青木氏は、私の愛読雑誌である「現代農業」の常連執筆者です。

びっくりするくらい徹底した合理主義者で、私の最も尊敬する篤農家の一人です。

私はだいたい本は図書館で借り、買うことはほとんどないのですが、
この本については、尊敬する青木氏の本、ということで思わず購入しました。

内容は、今の私のレベルでは容易に真似できるものではありませんが、このレベルまで到達できたらいいな、という目標の目安にしています。

それで、この本に書かれている米ぬかの肥料としての使用方法は、

1)油かすを株間にドンブリ一杯盛る
2)その上に米ぬかをドンブリ一杯分覆う

これだけです。
とても単純なものです。
元肥も入れずに、追肥だけです。

ただし、これはナス、トマト等の果菜類限定です。

私も、この方法でやってみましたが、生育は例年以上によかったです。

一度、お試しください。

有害な生き物の防除については、その2

紹介した本はこちら

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2 件のコメント:

  1. ご愛読ありがとうございます。
    ぜひ、こちらもご利用くださいませ。
    http://shop.ruralnet.or.jp/

    農文協 田舎の本屋さん お客様係

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  2. コメントどうもありがとうございます。
    「現代農業」いつも楽しく読んでおります。
    今後ともためになる情報をよろしくお願い致します。

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