2013年9月17日火曜日

漬物


先週は、六次産業化として主に農産加工についての話を書きました。

その加工品の中でも、特に取り組みやすいのは漬物ではないでしょうか?

比較的簡単にできますし、お金もあまりかかりません。

そこで今回は、改めて漬物についてまとめてみたいと思います。



まず、漬物の原理を、改めて説明しますと以下のようになります。

漬物は、野菜や魚を漬液、ぬか等に漬けることにより、浸透圧を利用して細胞内の水分を失わせます。

それとともに、細胞内の水分を漬け液中の塩分、有機分等と置換させ、貯蔵性、風味を向上させます。

また、多くの場合、漬物は発酵を利用しています。

微生物が出す酵素により、その食品から有用な成分を合成します。

その結果、漬け物には特にビタミン類が豊富に含まれることになります。

ビタミンCなどは、加熱調理すると熱で分解されてしまいますが、漬物でなら容易に摂取できます。



発酵を利用していない漬物といえば、思いつくのは梅干くらいです。

ただし、現在市販されている多くの漬け物は、必ずしも本来の、発酵による作り方をしている訳ではありません。

発酵はどうしても時間がかかるので、添加剤で代替しています。

例えば、ぬか漬けやキムチ等は乳酸による発酵が主役ですが、多くの市販品は、酸味や
旨味成分を出すために、酸味料や化学調味料が添加されます。

また、最近では健康のため、減塩が好まれますが、その場合痛みやすくなるので、保存料が使われています。

さらに見た目の鮮やかさを出すための着色料、酸度を調整するための調整剤等、様々な添加剤が用いられています。

もともと健康によいはずの漬け物が、「健康のため」という名の下に、さほど健康的でない食品になっているのは皮肉ですね。



逆に言えば、その分農家がきちんと昔ながらの作り方をして販売すれば、お客様にも喜ばれることになります。

しかも、漬け物は色んな土地で様々な種類のものが作られていますので、地域独自の特産品となりやすいです。

あるいは、ぬか漬けのようなありふれた漬け物であっても、漬ける家庭により味は変わってきます。

「おふくろの味」というったウリにもなりやすいです。

しかも、特別な装置は必要でなく、せいぜいが発酵させる桶が必要なくらいなものですし、それも汎用的で、使い回し可能です。



漬物作りでの注意点としては、何と言っても雑菌ですね。

衛生面での十分な配慮は必須です。

かき混ぜる時は念には念をいれた手洗いを行い、保存時も厳重にパックしましょう。

ぬか漬け等では、容器の壁についたぬかはきれいに拭き取るようにしましょう。



そういうわけで、まずは作ってみましょう。

菌を飼っていると思えば愛着も湧きます。

それに、自分で作った野菜を使って自分で漬ければおいしさも倍増。

是非トライしてみて下さいね。



発酵食品の作り方に関するおススメ本

農文協編  農家が教える発酵食の知恵 農文協

上記の続編 →  続農家が教える発酵食の知恵

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