2013年9月10日火曜日

六次産業化について

 農業で収益を得る上で、最近特に強く推奨されているのが六次産業化。

 すなわち、農産物の生産だけでなく、加工、販売まで手がけるという方法です。

 通常、小売価格に占める生産者の受け取り価格は全体の4割くらいですが、販売まで自分でやってしまえば、残りの6割も手に入れられます。

 加工まですれば製品単価自体、グッと高まります。

 それ以外のメリットとして、収穫時期以外の収入の確保とか、収穫時期以外の余剰労働力の活用、等もあります。

 以前では農産物加工は、余剰生産物を利用するためとか、規格外品を利用するため、等のやや受動的な動機が多かったように思われますが、最近はより積極的に新規事業開拓しようという人も増えてきています。


 そうは言っても、実際にやるとなると色々と面倒ですし、興味はあっても躊躇されている人も多いかと思います。

 まずは、それらを乗り越えるために、具体的な「色々と面倒」なことについて見ていきましょう。



 第一には、費用面でのリスクが考えられます。

 加工をするとなると、どうしても、設備費がかかりますし、自家栽培している作物以外の原料を調達するためのコストもかかります。

 衛生面のリスクも大きいです。

 始める前には保健所の人が来て丁寧に指導してくれますが、万一食中毒の原因にでもなったら、金銭面以外でも精神的、社会的ダメージは計り知れません。

 また、レストランとか、お弁当の総菜等を選択した場合、専業で生活している人と競合することになります。

 専業の人でも廃業に追い込まれる人が多いのに、農業の片手間でやってもうまくいく訳がない、という気にもなるでしょう。



 これらの点を考慮すると、新規に参入するのであれば、やはりそれ相応の戦略を持つことが必要です。


 まず、最初は小規模で低リスクで始めて、売れてから規模を拡大します。

 やはり投資金額はばかになりませんし、小規模ならば売れなかったときの撤退もしやすいです。


 また、加工品を作る場合は多品種少量でなく一品種に絞りましょう。

 品種が増えるほど余計な手間と費用がかかります。


 加工品は肥料とか苗などの上流側の製品でなく、食品や ドライフラワーなどの川下の製品を狙いましょう。

 消費者に近づくほど、粗利が高くなります。

 粗利が非常に高いものとしては、サプリメントや化粧品なども考えられます。

 元々の作物の値段よりもはるかに高い値段となります。


 こうした展開を行うに当たり、自分の持っているリソース(資源)活用も重要です。

 例えば、どこの農家でも、その家独自の家庭料理や漬け物等の加工方法があるのではないかと思います。

 例えその家になくても、住んでいる地域で探せば出てくるはずです。

 そうした方法が商品化できないか、考えてみましょう。

 これは、製造のみならず販売についてもいえます。

「その地域で代々伝えられてきた○○」といったフレーズだけでも消費者にとっては魅力的に見えます。


 色々自分でやるのは面倒、という方には製造委託という方法もあります。

 通常の農産品加工のみならず、サプリメントや化粧品をつくる事も可能です。

 また、製造責任は委託加工先が取ることになるので、上述の衛生面のリスクもなくなります。
(ただし、委託費や検査費用の額はかなり高いです)

 最近は多くのメーカーで受け付けていますし、小ロットの対応も可能なので、もし興味があれば一度検討してみて下さいね。

参考にした本

有坪民雄  農業で儲けたいならこうしなさい ソフトバンククリエイティブ

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