微生物の話についての続きです。
今回は根粒菌について述べます。
根粒菌は、大気中のチッソをアンモニアに変える微生物です。
主にマメ科の植物の根にこぶをつくり、その中で生息します。
植物の根から有機物を栄養として受け取る代わりにチッソを植物に提供する、という共生関係にあります。
従ってうまく根粒菌を利用できれば、チッソ肥料を減らすことができます。
そのためには、そもそも根粒菌が土の中にいなければなりません。
根粒菌は、マメ科植物に共生する、といっても植物の種類によって共生できる根粒菌の種類も変わってきます。
つまり、ダイズならダイズ用、インゲンならインゲン用の根粒菌が必要です。
一度、これらの植物を育てたことのある土地であれば、その根粒菌も土着していると思われますが、もし土着していなさそうであれば、接種してやらなければなりません。
それぞれの植物用の根粒菌は市販されているので、購入は可能です。
また、根粒菌を使用する際には、土にチッソ成分が多いと根粒菌が弱ってしまうので、気をつける必要があります。
このように、マメ科植物は根粒菌でチッソを供給できますが、その他の植物については、チッソを固定する微生物はまだ実用化されていません(研究はされているようですが)。
従って、他の植物でチッソ肥料を節約するためには、マメ科植物との混植や輪作をすることが考えられます。
よく行われる方法としては、例えばレンゲやクローバーを前の作と次の作の間に育てて鋤き込む、とかインゲンとキュウリを同じ畝で作ったりとかされています。
このような輪作、混植については、相性のよい組み合わせ、悪い組み合わせがあるので、注意が必要です。
例えば、ダイズ等のマメ科植物とネギ等のユリ科植物は相性が悪いです。
根粒菌の活動がネギにより抑制されるためでしょうか。
他にも相性の良い組み合わせ、悪い組み合わせがあり、いろいろ試してみるのも楽しいですね。
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