2010年4月8日木曜日

アブラムシ、その3

アブラムシの生態についてはこれまでに書いた通りで(アブラムシ その1その2)、ここでは駆除方法について述べます。

アブラムシは体が柔らかく、農薬がよく効きます。

アブラムシ退治に有名な薬としてはオルトランが挙げられます。

残効も約1ヶ月と長く、重宝します。

ただし、アブラムシは薬剤に対する抵抗性が強く、何度も使っているうちに薬が効きにくくなります。

これを薬剤耐性と言います。

これを防ぐためには、まだ個体数の少ない発生初期に、しっかりと防除することが重要です。

また、一種類の薬剤だけに頼らずに、複数の種類の防除方法を併用することが望ましいです。

薬剤としては、上述のオルトランは有機リン系の薬剤なので、これ以外の種類のものを使うとよいでしょう。

何と言っても農薬が最も効果的なわけですが、これを用いないとなると、十分な情報管理ときめ細やかな対応が必要です。

まず、インフラとして、各都道府県で病害虫発生予察情報を出しています。

といっても、地域によってチェックしている病害虫は異なるので、必ずしもアブラムシの情報がでているとは限りませんが。

何にせよ、月1回程度は発表されるので、チェックしておいた方がよいでしょう。

「病害虫発生予察」アンド各都道府県名でググるとすぐに見つかります。

その上で、個人でできることを行います。

アブラムシは上述の通り、黄色いものに誘引されるので、黄色い洗面器か何かに水を張っておいて、アブラムシをチェックしましょう。

これらにより、発生が予測されたら防除です。

まず、「化学農薬」の範疇に入らない自然農薬?について述べます。

アブラムシに限らす、昆虫一般に言えることですが、油や石けんや牛乳をかけてやると、気門を塞がれて窒息死します。

また、酸にも弱いので酢や木酢液も効果がありそうです。

私は、以前にも述べましたが環境微生物資材えひめAIを用いています。

えひめAIの乳酸菌からでてくる乳酸がpHを下げて虫をつきにくくさせるのではないかと考えています。

こういった薬剤以外では、天敵としてテントウムシやクサカゲロウを放つことが有効です。
(農薬と併用するとテントウムシまで死んでしまう可能性がありますが)

こういった方法と合わせて、そもそも、アブラムシがつきにくいように植物を健康体に保つのが重要です。

まず、チッソ肥料を与えすぎないようにしましょう。

上述した木酢液や、えひめAI、EM菌等の散布は植物が健康体となる効果もあり、この面での効果も期待できます。

これ以外では、アブラムシがキラキラ光るものを避ける性質を利用して、このようなテープをぶら下げるのも有効なようです。

さらに、不織布等で植物を覆ってしまって、アブラムシが物理的に入れないようにする方法もあります。

このようにいろいろな手法を併用して、総合的に防除を目指しましょう。

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2 件のコメント:

  1. 「アブラムシ発生のチェックで、黄色の洗面器に水を張り発生をチェックする。」
    たいへん参考になりました。
    芋苗もシーズン中に一度か二度アブラムシが発生します。
    発生に気づいた時は薬剤を散布してますが、出荷は3日ほど中止します。
    虫の付いた苗は出せませんので、出荷最盛期に発生すると大きな痛手です。
    アブラムシは、繁殖力がすごいので気づいた時はすでに遅しで、苗の新芽の先がアブラムシだらけ状態です。

    今日から早速実行します。

    徳島の芋苗生産農家

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  2. 豊田さん、いつもありがとうございます。

    アブラムシ、いやですね。
    成長点のあたりにびっしりとついているのを見るとぞっとしますね。

    へたなホラー映画より心臓に悪いです。

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