2013年5月28日火曜日

植物と過湿

 沖縄、奄美は梅雨になりましたね。

 当地ももうすぐです。

 梅雨入りの時期は各地で異なるようですが、梅雨の期間はどこも概ね45日前後です。

 この間に雑草が一気に生い茂るので、事前に防除しておきたいところです。

 除草剤にせよ、管理機で土を撹拌するにせよ、手で取るにせよ、水浸しになってからではやりにくいので、天気予報をよくチェックしてやっておきましょう。



 それで、今回は梅雨の環境が植物に及ぼす影響についてです。

 一言でいえば、以下の3点に要約されます。

1 土壌中が過湿になる

2 地上部が過湿になる

3 日照時間が減る

 これらの影響は複雑に絡み合うのでややこしいのですが、それぞれを単独に見ると、以下のようになります。

 まず、1の土壌の過湿については、土の三相分布(固相、液相、気相)のうちの液相の比率が増大して気相の比率が低下します。

 これにより、呼吸困難となって根が弱りやすくなります。

 また、土壌中の窒素とかカリウムとか、水溶性の養分の流亡もおこります。



 2の地上部の加湿については、植物の体温調整がしにくくなる効果があります。

 植物は体温を下げるために、気孔を開いて体内の水分を蒸発させます。(蒸散と言います)

 そして、その蒸発の時に奪われる気化熱によって温度を下げます。

 しかし、周囲の湿度が高いと、蒸発が起こりにくくなる結果、体温が下がりにくくなってしまいます。



 この他、気孔が開くことによって二酸化炭素の吸収が増え、光合成も起こりやすくなります。

 だいたい、相対湿度75~85%で最大となる、とされています。

 さらに、微生物による病害が発生しやすくなります。

 湿度が高いことで、微生物自体も増えるとともに、植物の気孔が開くことにより、微生物の侵入経路ができるためです。



 3の日照時間が短くなると、気孔が開きにくくなり、体内の水分の蒸発が減ることになります。

 その結果、体温が高くなりやすい、二酸化炭素の吸収が減って光合成が抑えられる、といった結果となります。

 また、紫外線による殺菌効果が少なくなって、微生物が増えることも予想されます。



 これらの3つの効果のうち、例えば、気孔が開くかどうか?などは、湿度と日照時間で相反する効果があるため、実際にどうなるかは、何とも言えません

 相反しない効果のみについてピックアップしますと、

・根が弱りやすくなること、

・植物の体温が高くなりやすいこと、

・微生物が増えて植物体内に入りやすくなること、

などが挙げられます。

 根や植物の体温は今さら如何ともしがたいですが、微生物については、対策を打っておきたいですね。



 農薬で有害微生物を退治する、という方法もありますが、有用微生物も一緒に死んでしまいます。

 そして、その後に有害微生物が発生するかもしれませんので、私はあまり使いません。

 米ヌカやえひめAI、木酢液等のような微生物を増やす働きのある資材や、石灰のような植物の病害に対する抵抗力を増す働きのあるものがおすすめです。

 しっかりと雨対策をして、梅雨を乗り切りましょう!

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