2009年12月19日土曜日

消防団の会計

農業をする上で、農協との付き合いは避けられません。

田舎においては、農協は単に農業の支援をする団体、というだけでなく生活の色々な生活にしっかりと根を張っています。

石油やガス、衣料品などの生活用品、保険や自動車、住居のローン、・・・

私は農業関係、あるいは日常生活の上での農協との付き合いはほとんどありませんが、別の面からの体験談を述べてみたいと思います。

私の農協とのおつきあいは、消防関係がメインです。

消防団の会計に関してです。

消防団は基本的にはボランティアですが、地方自治体から多少の給料が出ます。

この給料の取り扱いは、各地域の分団で異なりますが、我が分団では全額を分団で管理して、色々なイベントに使います。

慰安旅行や新年会、操法大会という消防技術を競う大会の備品等です。

会計係は、各団員の口座に振り込まれたお金を消防団の共通の口座に入れ替えて、上記のようなイベントの時に必要物を買いそろえておくのが主な仕事です。

この給料や消防団の共通の口座が農協の貯金・・・JAバンクです。

他の金融機関でなく、JAを利用するのは、ボランティアの一環として、地元の機関にお金を流して地域経済の活性化の一助とするという趣旨によるもののようです。

余談ながら、そういったことで新年会等の宴会も必ず地元の近場の料理店ということになります。

田舎だとそんなにお店もないので、宴会に行く場所もほとんど限られてしまうのが、やや残念です。

話を戻して、給料は年2回振込まれますので、年2回移し替えに行きます。

JAバンクは土日はやっていないので、会社勤めの私は妻に移し替えの手続きをしてもらっていました。

でも、何度かやってもらった後、妻から「もー絶対やだ!」と宣言されたため、自分でやるようになりました。

そんなに自由に休むこともできないので、何かの用事で年休をとる時を利用して、やります。

時間がないので、一気にかたをつけようと意気込んで出かけます。

このときの窓口のお姉さん(←若いお嬢さん、という意味でなく、私よりも年長、という意味)の対応がしびれます。

こちらは、何度か痛い目にあっているので、気合いを入れて窓口に向かいます。

でも相手は、年に2回しか来ない客なので覚えていません。
いつも同じ人が窓口にいるわけでもありませんし。

ずっと昔から住んでいる人であれば別でしょうが、私はもともとよそ者なので、誰だろう?という顔でこちらを見ます。

そこに、ドサリ、と通帳の束を積み上げます。

お姉さんの表情がみるみる変わるのが近眼の私でも分かります。

あからさまな迷惑そうな表情・・・

まあ、面倒でしょうから無理もありませんが。

ここからディベートが始まります。

2〜3年前は、払戻し票に名前と口座番号を書いて印鑑を押す
だけでオーケーでした。

お姉さんは、面倒そうにしながらもやってくれていました。

そうしているうちに突然、「名義人の住所も書いてもらわなければ手続きできない」と言われました。

団員全員の住所なんか知らんし。

「全員○○県△△市□□です。」と私。

「番地も書いてくださいな。」とお姉さん。

「前は必要なかったでしょう。」

「今は必要になりました。」

「私も会社休んでボランティア(ここを強調)でやっているんですよ」

「それは大変ですねぇ」(だからどうした?と言わんばかり)

「・・・」

私の負けです。

何ヶ月か後に全員の住所を聞き終えて、ようやく手続きできました。

利子が入っていたので、会計簿の計算がうっとうしかったこと。

それで次からは、書くことも増えて面倒なので、払戻票をたくさん持って帰り、ワープロに打ち込んで直接印刷するようにしました。

手書きよりもずっと楽になった、と思いきや・・・

「手書きでないとダメです。」とお姉さん。

ワープロ打込みだと、それ用に申請が必要だとか何とかのたまいます。

くそーっ。

さらにその次に行くと、

「裏面に代理人の住所氏名を書いて印鑑を押してください」

と、どんどんエスカレートしていきます。

どうも、近年農協で不祥事が相次いだため、管理が厳しくなってきているようなのです。

でも利用者のせいでもないのに、利用者の利便性を損なうような管理ばかりするのもいかがなものか、と思います。

それも一気に厳しくするのではなく、さみだれ式にチビチビ変えていかれると、その都度無駄骨を折らなければならなくなります。

まあ、ここに述べたようなことは、他の金融機関でも同じようにやっているのかもしれませんが(知りませんが)、お姉さんの態度が取りつくしまもないので、ついついむっとしてしまいます。

そんなこんなで、最後に、つい先日行ったときに言われたことは

「代理人は親族に限ります。
消防団関係の人は、別途これを書いてもらうことになりました。」

と振替委任状なるものを渡され、

「名義人の直筆で必要事項を記入、押印ください。
そしてあなたは、団員名簿を一覧表にして提出してください。」

との宣言。

またまた押し問答の始まりです。

でも、今回は援軍が来ました。

押し問答の途中で、顔見知りの農家のおじさんが入ってきたのです。

ここぞ、とばかり親しげに話しかけると、効果てきめんでした。

お姉さんの態度が急に軟化して、交渉妥結です。

記入は名義人の直筆でなくてもよい、一覧表は後日持ってくればよい、ということになり、何とかその日に手続きし終えました。



こうして今までの経緯を思い出していると、農協の接客というのは田舎の閉鎖的な人付き合いを象徴しているような気がしてきました。

よそ者が暮らすのに、大事なのはやはりコネですね。

コネがない人はGNPでコネづくりをしましょう。

GNPとは、義理と人情とプレゼントです。

地元の人と仲良くなれば田舎暮らしは悪くないので、最初の努力が肝心と思いました。

クリック切望

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2 件のコメント:

  1. キビゴロウさん

    JA窓口での対応は苦労しますね。

    私もここへ来て2年目に地区の自治会の班長(持ち回り)になり苦労しました。班長(15班)の集会の時、名前と顔が一致せず、また、議題についていけずただ聞いいているだけでした。
    GNPとは、ズバリですね。班の人とは波風たたないように、時々収穫した野菜(主にハウスきゅうり)を持って親交をはかっております。

    近所付き合いも大変ですね。
    悪口は絶対言えないです、すぐに広まりますから。

    徳島の芋苗農家

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  2. 豊田さん、毎度ありがとうございます。

    JAの人とも、顔見知りになれば親切にしてくれるのではないかと思っているのですが、ほとんど行くことがないので気苦労が多いです。

    人間関係はなかなか難しいですね。

    でも、会社での人間関係よりはましですよね。

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