2013年5月14日火曜日

細胞分裂

 今の時期、植物にとっては、春先に芽吹いた小さな苗が日の光を浴びてどんどん成長する季節ですね。

 ということで、今さらではありますが、今回は成長とは?という根本的な問題について、取り上げてみたいと思います。




 植物の成長は、根から水や肥料成分が吸収され、葉で光合成が行われて有機物が生成し、その有機物が植物の各部に行き渡ってそこで新しい根や茎や葉が作られて大きくなります。

 つまり、大きくなるというのは、全体に拡大する訳ではなく、茎や根の先端が伸びる訳です。

 その先端を成長点と呼びます。

 では、その成長点をもう少し細かく見ていくとどうなるでしょうか?



 植物は細胞で出来ていますね。(動物や微生物もですが)

 成長点では、この細胞が分裂によって、どんどん数が増えてきます。

 どのような過程で細胞分裂するかについては、中学校の時に習ったようです(たぶん)が覚えていますか?

 

 分裂する前に、核の中のDNAが折り畳まれてX字状の染色体ができ、これが > と < に別れて核の両極に移動します。

 その後、二つの核の間に仕切りができ、2つの細胞となります。

 従って、細胞分裂した直後は、大きさは変わりません。

 元の一つの細胞の半分のサイズの細胞が二つできるだけですから。

 この半分のサイズの細胞が大きくなって、元の一つの細胞と同じ大きさとなるのが植物の大きくなる過程といえます。

 ちなみに、細胞の中には細胞小器官という、いくつもの器官があります。

 前述した核は遺伝情報を格納している器官ですが、この他にも、小胞体(タンパク質を合成)やゴルジ体(タンパク質を細胞内外に送る)等々色々ありますです。



 ところで、細胞分裂の時に、核が分裂することについては、教科書や色んな解説がありますが、その他の細胞小器官はどうなるのでしょうか?

 分裂した二つの細胞それぞれに、ひと揃いずつ分配されなければなりませんね。

 一つの細胞内に沢山ある小器官は、細胞分裂前後に、増殖して、数を確保します。

 細胞内に1個しかないものは断裂したり割れたりして両方の細胞に分配され、それらが再結合するようです。

 そして、これらの小器官を作るために、核内のDNAが設計図として必要な訳です。



 ただし、細胞内小器官の中でも、ミトコンドリアと葉緑体は少し事情が違います。

 ミトコンドリアは体のエネルギーのもととなる、ATPをつくる働きがあります。

 また、葉緑体は、光合成の元となる器官です。

 この二つが他の細胞内小器官と異なっているのは、もともと別の微生物が細胞内に取り込まれて、細胞内小器官となった点です。

 別の微生物であったために、それぞれが独自のDNAを持っています。

 さらに、そのDNAをもとにタンパク質を合成するためのリボソームも独自にあります。



 一つの生命体の細胞の中に別の生命体が入り込んでいる、というのは不思議な気がしますね。

 しかも、ミトコンドリアといい、葉緑体といい、植物にとって自己の存在の最も本質的な部分を、他の微生物起因の器官が担っているわけです。

 我々人間も、自らのエゴで他人や自然に迷惑をかけていますが、細胞レベルでの共生により生かしてもらっている、という事実をよくわきまえ、お互いを尊重して生きていきたいものです。

・・・と、無理矢理まとめてみました。



 以上、今回は単なる興味本位で調べてみました。

 あしからず。

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