岡山県の中小企業診断士、川上恵三先生のセミナーに参加したので、その内容をご紹介します。
川上先生は(株)CAPコンサルティンググループの代表取締役です。
いろんな個人、法人のコンサルティングをされていますが、農業関係のコンサルタントを特に得意にしています。
その先生曰く、農業が儲からない、というのはすでに過去の話となっているそうです。
実態は個人経営、法人ともかなりの利益を収めているそうです。
例えば、夫婦共働きの果樹農家では4000万円の売上、そしてキャッシュフロー(一言で言えば手元に残るお金)がその数10%、等という例がザラです。
勿論、漫然と働いていても簡単に儲けられる訳ではなく、いくつかのポイントは抑える必要があります。
まずは、その地方の特産品を作るのがやはり有利だそうです。
例として、岡山県ではブドウやモモなどの果樹が強く収益も上がる、逆に花きは弱いそうです。
また、講演ではあまりはっきりとはおっしゃっていませんでしたが、やはりある程度の規模は必要のようです。
逆に言えば、規模が大きければ、とりあえずは何とかなるようです。
例えば稲作は、設備費がかかりすぎて、儲からない農業の代表のように言われていますが、ある程度以上の規模になると設備費と収入がトントンとなり、政府の補助金分がまるまる儲けとなるそうです。
このように、農業の収益が上がってきた背景には、やはり流通ルートの多様化が大きいそうです。
昔は農作物と言えば、JAに全量出荷するのが当たり前でしたが、今や直売所や観光農園など、農家が直接販売できるルートが格段に増えました。
中間マージンがなくなる分、農家の手取りは増えるわけです。
しかしながら、その分、売るための知恵を絞る必要があります。
知恵を絞るための方法として、最も力説されていたのは、世の中の流れに敏感になることです。
新聞をしっかり読んで、世の中の流れをしっかり掴むことが勧められていました。
最低10個くらいは書き出して、そのなかでどのように商売に結びつけていくかを考えてみましょう。
例えば、高齢化、簡便化など。
スーパーの野菜などを見てみると、その時々の気象条件によって値段が驚くほど乱高下します。
高いときはいいですが、安い時に収穫すると目も当てられません。
が、高齢化、簡便化等をキーワードに考えてみると、大きな野菜は食べやすいサイズにあらかじめ切っておけば、お客様には喜ばれるでしょう。
ということで、実際に見てみると、カット野菜は高値で安定して売れています。
加工品でもそうです。
お餅は、長期的には消費量は減っていて、苦戦はしているようですが、カット餅は底堅く売れているそうです。
他には、やはり六次産業化。
農産品を加工、販売まで連係して行う方法です。
先進的事例として、「伊賀の里モクモクファーム」を挙げられていました。
ただし、単純に六次産業化すればいいというものでもなく、色々なノウハウがあるようです。
モクモクファームの成功の秘訣は色々あるそうですが、その一つは地域密着。
あの、東京スカイツリーからも出品要請があったそうですが、断って、商圏をしっかりと守っているそうです。
また、マスコミを利用した、販促活動も力を入れているようです。
こうしたことで、今では、世界中から視察に来ているほど注目を浴びるようになりました。
なお、時代の流れはしっかりと掴む必要はありますが、流行に安易に乗ってはいけないそうです。
そのあたりのバランス感覚は、ちょっと難しそうに感じられました。
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