2013年10月15日火曜日

ジャンボタニシ


 先日、我が家の近くの水路で、ついに見てしまいました。

 ジャンボタニシのタマゴ。

 近隣の水路ではもう何年も前から見ていたので、覚悟はしていたのですが、我が家の回りでは、なぜか今までいなかったのです。

 それがとうとうここまで来たか・・・

 ちょっとショックを受けました。

 そういう訳で、今回はジャンボタニシについて。



 ジャンボタニシの本名はスクミリンゴガイ。

 名前の通りリンゴガイ科の巻貝で、タニシの仲間ではありません。

 従って、タニシとは生態も体の構造もかなり違います。


 例えば、タニシはえら呼吸のため、水中でしか生きられませんが、ジャンボタニシはエラも肺も持っています。

 これがジャンボタニシの繁栄の主な原因の一つとなっています。

 ジャンボタニシを駆除するために水田に農薬を撒いても、汚染された水を吸わずに肺呼吸してしのげるのです。

 で、代わりに普通のタニシとか魚がやられてしまいます。


 また、ジャンボタニシの原産は中南米の熱い地域。

 そのせいもあって、夏の暑さには強いです。

 乾燥にも強く、水田で中干しのために水を抜いても平気で耐えられます。

 その反面、冬の寒さには弱く、現在日本で繁殖している地域は関東以西に限られています。

 東北や北海道ではまだ繁殖していません。

 関東以西の冬くらいの寒さであれば、泥の中に潜り込んで越冬します。

 ただし、越冬できるには大きさが限られていて、小さすぎると体力がないので寒さで死んでしまいます。

 逆に大きすぎると泥の中に潜り込めなくなって、やはり寒さで死んでしまいます。

 従って日本での寿命は2年以内と言われています。

 沖縄では冬は十分暖かいのでもっと長生きのようです。



 それと、特徴的なのが食性。

 貝は歯舌という硬い舌のようなもので食べ物をけずりとって食べますが、ジャンボタニシは普通のマルタニシよりも大きくて強い歯舌を持っています。

 従って小さな植物の幼苗くらいなら食べてしまいます。

 田植え直後の稲も食べられてしまうことから大きな問題となっています。



 ジャンボタニシで感覚的に嫌なのは、あの毒々しいピンク色の卵ですね。

 タニシは水の中に卵を生みますが、ジャンボタニシは陸上で産みます。

 水の中では卵が腐ってしまいます。

 従って、駆除するためには卵の段階で水に落とすことが考えられます。

 ただし、ピンク色が抜けてくると、卵の中ではすでに子貝となっているので効果がありません。

 ピンク色のうちに落とす必要があります。


 ちなみに、毒々しいピンク色と書きましたが、実際には毒は含まれていません。

 しかし、とても苦くて鳥や虫に食べられることはないようです。

 これも、大発生している原因の一つです。



 駆除法法としては、先に挙げた卵を川に落とすことが一つ考えられます。

 それ以外では他の生き物に食べてもらうのが有効です。

 魚や鳥、虫など食べる生き物は多いです。


 私の住むところではなかなかジャンボタニシが侵入してきませんでしたが、亀がかなり沢山いるので、この亀も食べているのではないかと思います。

 水田では、アイガモやアヒルを飼うのが効果的なようです。

 殻ごと砕いて食べます。


 ・・・といくつか書きましたが、これで万全という訳ではありません。

 ジャンボタニシは世界の侵略的外来種ワースト100にも選定されているように、駆除するのは容易ではありません。

 結局のところ、被害が及ぼされない程度にうまくつき合っていくしかなさそうです。

参考にした本

増田修 田んぼの生き物たち、タニシ 農文協

※もしよろしければメルマガ登録お願いします→ 農業ビジネスコーチング、登録フォーム

0 件のコメント:

コメントを投稿