今回は、肥料成分をテーマにしたいと思います。
といっても、三大要素のチッソ、リン酸、カリについては、だいぶ以前にかきました。
今回は、これらの三要素ほどでもないが、かなり多量に必要な肥料成分を中心に述べていきたいと思います。
植物に必要な成分としては、上記三要素の他に、以下の10成分が知られています。
・・・カルシウム、マグネシウム、硫黄m鉄、マンガン、銅、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素
それと、全ての植物ではないですが、イネなどいくつかにはケイ素も必要です。
ついでに、ヨウ素、コバルト、セレニウムは植物には必要ありませんが、ほ乳動物には必要な成分なため、肥料分と一緒にまぜて入れることもあります。
では、これら必要成分の量はどのくらいがよいでしょう?
最も単純に考えれば、植物体の成分量を分析して、その分析値に応じて上記の成分の土壌中の濃度を調整するように肥料分を入れればよいように思えます。
実際に植物体内の成分を分析すると、光合成のために取り込む二酸化炭素(炭素、酸素)と水(酸素、水素)以外の成分は
窒素:1〜3%
カリ:0.3〜6%
カルシウム:0.1〜3.5%
硫黄:0.05〜1.5%
マグネシウム:0.05〜0.7%
リン:0.05〜1.0%
以下略(それぞれ0.2%以下)
となっています。
また、別の文献によっては、成分の多い順から
窒素>リン>硫黄>カリウム>カルシウム>マグネシウム
となっており、いずれも硫黄、カルシウム、マグネシウムの濃度がかなり高くなっています。
三要素のうちの窒素は別格として、リンとかカリウムに匹敵するくらい高いですね。
そのうちのまず、硫黄についてみて見ると、生体をつくるタンパク質は、炭素、酸素、水素、窒素、硫黄でできています。
従って、窒素と硫黄は植物の生長とともに、一定の割合で取り込まれる必要があるのです。
なぜ硫黄は余り必要だと喧伝されないのか、解く分かりませんが、昔は硫黄を含有する肥料がよく使われていたためかもしれません。
化学肥料が使われる前までは、堆肥や落ち葉などを大量に投入していましたし、化学肥料が使われだしてからは、硫安とか硫酸カリとか硫酸肥料がよく使われていました。
しかし、最近では硫安より、窒素含有量のより高い尿素が主流となってきており、硫黄不足の害も出てきているようです。
なお、堆厩肥などの有機分には硫黄分が含まれているものの、これで万全という訳にはいきません。
ある種の微生物があまりにも繁殖しすぎると、硫黄分が酸化してガスとなって抜けてしまい、植物が十分利用できなくなることもあります。
やや多量に必要な肥料成分(その2)へつづく
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