今回も性懲りもなく木酢液、竹酢液の話です。
今回は、植物栽培以外の利用方法です。
まずは簡単に、前回のおさらいから。
木酢液、竹酢液は酢酸、アルコールやフェノール分など、多数の成分からなる液です。
その複雑な成分により殺菌や防虫、その他さまざまな用途で利用されています。
農業での利用が大部分ですが、それ以外の利用分野も多岐に渡ります。
まずは、殺菌効果を利用した使用法として、洗剤やスキンケア用品が挙げられます。
自然素材を使った環境にやさしい製品、ということで木酢液を配合されたものが多数販売されています。
どちらも、木酢液による殺菌効果を高らかに謳っています。
ちなみに、農地で木酢液を散布すると、一旦殺菌された後逆に菌が急激に増殖しますが、スキンケアの後の人間の皮膚は常在菌が増えるかどうかについては、勉強不足でよくわかりませんでした。
(常在菌は、人間の腸内や皮膚に存在する菌で、通常は病原性でなく、逆に 病原菌が侵入するのを防ぐ働きがあります。
殺菌効果は受けがいいようでよく宣伝されていますが、本当はこういった菌の繁殖の方が重要な気もします。)
また、これらに木酢液を入れる効果として、殺菌の他にも肌荒れを防いだり、保湿効果を持つとも言われています。
この効果を利用して、お風呂に木酢液を入れると体が温まるそうです。
体が温まる、ということは新陳代謝が活発になって脂肪が燃焼し、ダイエット効果が現れた人もいます。
殺菌効果に戻って、木酢液の使い方として有名なのが水虫の治療です。
水虫は皮膚の奥深くまで菌が侵入しているため、表面に塗り薬を塗るだけではなかなか直りませんね。
木酢液は皮膚への浸透性が高いので、水虫治療には優れた効果が期待できます。
やり方はさまざまですが、直接皮膚に塗ったり、水で薄めた液の中に患部を入れたりします。
原液を塗ると肌荒れするという場合もありますが、竹酢液を蒸留したものであれば心配ないそうです。
次に防虫について。
前回も述べたとおり、木酢液自体の殺虫効果は弱いのですが、忌避効果は期待できます。
これを、家庭でもそのまま利用できます。
ゴキブリやムカデ、蜘蛛など様々な生き物に効果があるようです。
これらの生き物が出そうな場所に撒いたり、瓶の中に木酢液を入れて蓋を開けておくと、そのニオイで寄ってこないそうです。
この方法は虫だけでなく、ネズミやハトなどの鳥獣にも使えます。
さらに、この応用編として、エクステリア用品の木材に木酢液を漬け込んだ製品もあります。
焼き板や炭を塗るのに比べ、手に汚れがつかない、使っているうちにツヤが出る、といったメリットがあるようです。
あと、よく使われる方法として消臭が挙げられます。
木酢液は強酸性なので、悪臭のもととなるアルカリを中和する働きがあります。
それのみならず、他の微量成分が表面をコーティングしてニオイを封じ込める、という人もいます。
トイレやゴミ集積場、下水などに50〜100倍に薄めてスプレーやジョウロで撒きます。
ただし、木酢液自体のニオイもキツいので、たくさん撒きすぎると逆に木酢液のニオイに悩まされることになります。
最後に、変わったところで燻製食品について。
ふつう、燻製というと煙でいぶす作り方を想像しますが、木酢液は煙を液化したものとも言えますので、木酢液につけても燻製食品となります。
鰹節やハム、ソーセージなどに用いられます。
ただし、木酢液には発がん物質が含まれており、燻製に使われるのは特殊な精製をしたもののみです。
一般に市販されている木酢液を使って、自分で燻製を作ろうとするのはやめましょう。
以上、木酢液の特徴を生かした使い方はまだまだありそうなので、色々試してみるのも面白いかもしれませんね。
参考にした本
農文協編 農家が教える健康の知恵 農文協
・・・以前にも紹介した本で、身の回りのものを利用した
ちょっと便利な方法が詰まっています、
岸本定吉監修 炭・木酢液のすごさがよくわかる本 中経出版
・・・前回と同じ
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