木酢液、竹酢液の続きです。
前回は微生物を増やしたり防除したりする方法、ということで、堆肥や農薬に混ぜる使い方について述べました。
今回は、これに引き続き、微生物つながりで土壌改良を目的とした使い方から。
現在の農地は、化学肥料や農薬の使い過ぎで地力が低下していると言われています。
地力を付けるには、有機物と、それを分解する微生物相を豊かにする必要があります。
木酢液を散布するのは、このうちの微生物相を豊かにする目的で散布されます。
従って、この場合は堆肥等を投入して有機物を供給すると効果が高まると思われます。
なお、前回は病害の防除を目的として、農薬に混ぜて薬効を高めることについてのみ述べましたが、このような土壌改良によっても病気は予防されます。
微生物相が多様化して、病原菌が繁殖しすぎるのが防がれるためです。
次に植物への直接散布について。
これも微生物の時の同じように、高い濃度で散布すると死滅してしまいますが、その跡地には却って色んな雑草がたくさん生えてきます。
従って、農地等で雑草駆除のために木酢液を散布するのは、あまり効果的ではありません。
使うとしたら、除草剤と併用することが考えられますが、これは私が調べた限りでは適用例は見つかりませんでしたので、試される場合は自己責任でお願いいたします。(もし、そういう事例をご存知でしたらお教え頂ければうれしいです。)
木酢液の濃度を低して散布すると、除草効果はなく、逆に
植物の生育を促進する効果が現れます。
農業で用いる場合には、こちらの方がメインになります。
株元や葉面に散布することが行われます。
次に防虫。
これも高い濃度では殺虫効果はありますが、そうすると植物も痛めてしまうので、低い濃度で使用します。
低い濃度では殺虫効果はあまりなく、忌避効果により虫が寄ってこないようにするのが主体となります。
忌避効果を高めるために、ニンニクやトウガラシを漬け込んで、これらのエキスを抽出したものを散布することがよく行われます。
以上、これら各種の使い方を見ていくと分かるように、木酢液を使うと、ある効果とその反対の効果の両方がもたらされる場合が多いです。
従って、期待した効果を持たせるためには、散布する濃度と散布回数によく注意して使用する必要があります。
目安として、育てている植物の葉面に散布する場合は300倍、土壌に撒く場合は50倍より薄くした方が無難です。
もちろん、その植物の種類や生育段階によって適正な濃度は異なりますので、300倍なら絶対に安心とかは、一概には言えません。
また、散布する回数も重要で、あまり頻繁に散布すると、高い濃度の液を散布したのと同じ効果が出てきます。
木酢液を散布したときの効果は、大体5日くらい続くと言われていますので、散布する間隔は一週間くらいの余裕を見ておいた方がよいでしょう。
ただし、雨等で泥が跳ね上がって病気の発生が心配な時には、一週間間隔にこだわらず、適宜(雨の前、もしくは後)散布した方が病気予防に効果があります。
参考にした本
岸本定吉監修 炭・木酢液の利用辞典 創森社
日本竹炭竹酢液生産者協議会編 竹炭・竹酢液つくり方生かし方 創森社
・・・以上、前回と同じ
岸本定吉監修 炭・木酢液のすごさがよくわかる本 中経出版
・・・この本も上の二書と同じく、事例が豊富に記載されていて分かりやすいです。
この本は、特に使い方に注力して書かれています。
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